概要
〝殿軍の英雄〟こと無気力おっさん、ゼブラ・ゴーシュは、今日ものんびり居留守中──のはずが、弟子志願の少年がやって来てから静かな日々はどこかへ消えた。
王都の魔法学校から半月かけてたどりついたその少年・ジュノに、彼は一言。「ゼブラゴーシュ? 彼なら出かけているよ。帰り? そんなことは知らん」
だが、その冴えない中年こそが、カルナス渓谷で若王を生還させた本物の殿軍の英雄、ゴーシュだった。
養女のマールムと二人暮らし。特技は朝風呂と昼寝そして戦術核級の威力を秘めた禁断の魔法〝雷神の槍〟。彼は人知れず、たったひとり国境を守る。
ジュノは、薪割りと風呂焚きをする代わりに、ゼブラ・ゴーシュの帰りを待たせてもらう。──ただし彼は魔族とのハーフ(半魔)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!~「英雄、居留守を決める」~
第41話のタイトルがこの作品の全てを言い表しています。朱実孫六さんの全作品の中で最もスケールが大きく、最も「おっさん」が格好いい一作です。
「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」という章タイトルが最終話で回収される瞬間——レビュアーが「思わずその古語の意味を調べてしまった」と書くほどの鮮やかさです。10万字全体が、その一瞬のための「溜め」として機能しているという指摘が正確で、ゴーシュというキャラクターの存在感が最後に全部持っていきます。
「戦場の心得①敵は外にのみあると思うな」「戦場の心得②夜、考えごとに答えを出すな」という話タイトルが挟まれる構成が独特で、師匠の言葉がジュノの成長と重…続きを読む - ★★★ Excellent!!!雷すなわち声を発す……かっちょいい章タイトルの回収は最終話で!
あまりにラストがかっこよすぎて、思わずその古語の意味を調べてしまいました。
なるほど。
すでに読了した方、あるいはこれから読む方にはぜひ読了後にその言葉の意味をググってほしい。
その由来どおり、この十万字に及ぶ物語はいわばラスト一話の爆発のための「溜め」。
そう不覚にも思わされてしまうほど、ゼブラ・ゴーシュというおっさんに最後もってかれます。
HELLSINGのアーカードしかり、存在自体が核弾頭なチートキャラって結局全部もってっちゃうからズルいし、下手に扱うとヘイト買いがちなんですよね。
だからこそ圧倒的な強さを支える背景と、読者が納得してしまうだけの魅力が必要になる。
このゼブラ・…続きを読む - ★★★ Excellent!!!読み進める手が止まらなくなる作品
伝説の英雄が、今やのんびり暮らす“スローライフおじ”になっているというギャップにまず心を掴まれました。
最強でありながら弟子をとる気がなく、過去のトラウマを抱えたおっさんと、真っ直ぐに憧れをぶつける少年――その関係性が熱くも微笑ましく、ページをめくる手が止まりません。
また、マールムという養女の存在が温かさを添えつつ、挑戦者アーガイルの登場によって、緩やかな日常の中に戦いの緊張感も漂うのが魅力的です。
師弟ドラマとスローライフ、そして最前線の危うさが絶妙に混ざり合った物語で、ジュノの“三ヶ月”がどのような成長と絆を描くのか楽しみでなりません。 - ★★★ Excellent!!!英雄は釣り糸を垂れ、少年は薪を割る──凍てつく辺境の“家族という魔法”
先の大戦で〝殿軍の英雄〟と讃えられながら今は“無気力”なおっさんのゼブラ・ゴーシュ。
そんな彼に弟子入りを願い出たのが、王都の魔法学校主席卒業間近の秀才ジュノ。
初対面では門前払いを食らうも、ゴーシュの一風変わった指導にも、持ち前の素直さで正面突破(?)していく。
百戦錬磨の一癖も二癖もある英雄、人狼の血を引く真っ直ぐな少年、そして2人を見守る養女マールムが織り成すスローライフは、のどかな日常とその隙間にちらつく戦争の影が同居する不思議な味わい。
そして一人の剣士の登場で、穏やかだった時間に剣先が突きつけられる──
これからジュノは“人間”としてどんな未来を切り拓くのか。
毎話、思わ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!説明不要の面白さ!
バチバチに面白いです!
テンポよし、世界観よし、そして何よりキャラが良いです…!
さくさく読めるのですが、登場人物達の心の機微が行間からしっかり伝わってきます。
伝説の英雄のもとにインターンに訪れた魔法学校の少年ジュノ。
憧れの英雄がただ者なわけはなく……
ひと癖も二癖もあるオッサンを前に、ジュノは困惑しつつも食らいついていきます。
そんな素直な少年を見守る養女のマールム。
ツンとした雰囲気とは裏腹に優しいマールムですが、そこはやはり英雄の秘蔵っ子。
やはりただ者ではありません。
それぞれの背後に霞んで見える〝重たい過去〟の気配を、それぞれの優しさが不器用に真っ直ぐに照らす。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!知っているかい? 『おっさん』ってのは、滅茶苦茶カッコいいんだぜ!!
エモい。その言葉はきっと、この作品にこそ似合うのではないでしょうか。
辺境の地にて隠遁生活を送るゴーシュ。歴戦の勇士だった彼のもとを、ジュノと名乗る少年が訪ねてくる。
弟子にしてほしいと懇願するジュノを拒絶するゴーシュ。でも行き場のないという彼を傍に置いてやることは認める。
ゴーシュの「娘」として一緒に住む少女マールム。三人の奇妙な生活が始まる。
あくまでも愛想や優しさは見せずとも、根っこの部分ではあたたかさが伝わってくるゴーシュ。そして、次第に見えてくるジュノの抱えている「事情」。
三人の辺境生活が続く中で、少しずつ詳細が紐解かれて行くシークエンスがとても綺麗で読み応…続きを読む