第4話 プロットを練ってみた話

キャラ設定の次はプロット作成だ。

「魔王の美少女がこちらの世界に召喚されて落語家の前座修行をする」という基本ラインしか決まっていなかったのでそこに肉付けをしていく。


最初は「前座修行で色々な事を覚えていくと魔王が解放され、落語の大会の主催者が実はモンスターだったので落語魔法で退治する……」というのを考えた。今にして思うと陳腐だ(笑)

ただファンタジア文庫なので魔法要素が強めがいいのかなと捻り出した結果だ。


「うーん、吉好さんにはこういうのは求めてないんですよね。現役の落語家さんに書いていただくので落語界のリアルな感じを書いていただきたく。なので魔法はなしで」


なるほど確かに。魔法ゴリゴリでやるなら既にファンタジー系で活躍されている作家先生方の足元にも及ばない。

だけど落語家にしか書けないリアルな話だった他にはない個性になるかもしれない。でも魔王が召喚されるって要素はいいのか……


そこで美少女魔王という要素は残しつつ、僕の修行経験を元にリアルな寄席修行ストーリーでプロットを練り直した。


「うーん、ちょっと固すぎるというか。ライトノベルなのでヒロインのわかりやすいサービスカットとかがあった方がいいかもです」


うーん、塩梅が難しい。寄席のリアルを描きつつ、ライトノベルっぽいイベントか。

ちなみに寄席ではガラッと開けたら女の子が着替えていて「キャー、何すんのよー」みたいなベタベタな展開は発生しない。そこはこれまでのラノベ知識を総動員してイベントを考えよう。


それ以外で指摘されたのはどことなく漂う「古さ」だった。少し前のライトノベルの雰囲気があるという事だった。

確かに最近のライトノベルも読んでいるが一番読んでいたのは時間の有り余っていた中学生、高校生の頃。今では月に数冊ペースがあの頃は週に数冊は読んでいた。なのでそこ頃のライトノベルが血肉になっているのだろう。

それをアップデートするために最近のライトノベルをとにかく数読んで勉強した。


いくつか読んで気づいたのはyoutubeやLINEなど今の若者が当たり前に使っているものが舞台装置として使われていた事だ。

学園ものはもちろん、中にはファンタジーものでもネット配信要素が絡んでいたりする。

僕もコロナ禍で配信を勉強して自分でもよくやっている。これを設定に取り入れられないか。

ただ前座修行中は自主的な配信は基本禁止なのでそのまま主人公にやらせられない。

そこで考えた設定が


「主人公が師匠に内緒でアバターでVtuber配信をしている。アバターを魔王キャラにして落語が好きな魔王による配信。魔王として配信をしている最中に異世界から本物の魔王が召喚されてしまう」

というもの。


このアイディアが通りプロット作成は大いに進むのだった。


続く

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