完全最適化治療

そして俺は、135年目、残金1750万円という状態にたどり着き、彼女の完全な治療法を確立させた。


そして5日間ボタンは、その役割を終え、静かに壊れた。


もう使えない。


彼女の余命は3か月、これは治療に十分なマージンのある期間だ。


まずは関係者の協力を取り付ける必要がある。


俺はまずは教授を説得した、過去の説得回数は4桁に達する、そして教授自身から見て俺は「相当別人に変わった」らしい。説得はあっという間に終わる。


そして、書きとめたノートを元に、彼女の治療薬を調合する。


幾度となく彼女に不完全版を投与しては彼女を副作用で苦しめた治療薬の完全版だ。もはや副作用もなく、適切に投与すれば病気を完治させる。



彼女を入院させてから一か月。



最後の血液検査が完了し全て異常なしの数値が出る。



彼女は完治したのだ!!!



完治したのだ……



完治……



目の前が暗くなり、俺は倒れる。


俺を抱きかかえる彼女の身体の柔らかさを感じ、俺は闇に落ちていった。



5日間ボタン。



その濫用による130年以上という体感日数の経過、それはどうしようもない脳への負担として俺に襲い掛かっていたのだ。


ああ、やっちまったなぁ。


けど、いい。


これで彼女が助かるのなら……。


…………


……



俺の記憶はここで途絶える。



























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