5日間の終わり

……


…………


………………パキン!


5日間ボタンがついに壊れた。


「戻ってきた」瞬間に目の前で火花を吹いて壊れたのだ。


焦げた臭いと共に煙を吹き、二度と直せないことはあきらかだった。


今までよく耐えてくれたと思う。


多分、このボタンはこの使命を果たすために俺の下に現れたんだろう。


そしてその使命を全うした今、ボタンは壊れたのだ。



残金、1750万円。



正直危ないところだった。


最後の仕上げだ。ボタンが壊れた以上もうやり直しは聞かない。


俺は自分の全てを何十冊ものノートに書き移していった。


大丈夫だ、理屈上は問題ない。


いや、幾千もの彼女の犠牲が語りかけている「これであれば問題ない」と。





思えば、長かった。





もう体感で100、いや100年以上前になるだろうか?




俺は、年末ジャンボ宝くじを買ったのだ。


最初の10万円で5日後の当選番号を知った


次の10万円で1等くじを探した、幸いにしてまだ売り場にあった。


こうして俺は10億円を手にしたのだ。






10億円。


1万回ボタンを押せる金額だ。






俺は「彼女の治療法を模索する5万日」という時間を手に入れたのだ。

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