第13話 大地震がきたら

 巷では2025年7月5日に大地震が来るとか、来ないとか。南海トラフが今年こそ発生するのではとか、噂になっとる。「来る来る詐欺」で、来なくて嬉しいのは災害と救急患者やな。


 もし、震度5強の地震なんて、私の住んでる所で起きたら、休日でも病院駆けつけて、私働かなきゃならん。ちゃんと休日出勤の給料出るよなぁとか、振替休日は?とかそんな事ばかし考えとる。


 地震の心配よりか、自身の休みが減ることを心配しとるなんて、私って本当に浅はかやな。



 ちなみに皆さんは、防災対策してる?

私一人暮らしの時なんて、備蓄すらしておらんかった。今はオトンとオカンがおるから、水やお茶カップラーメンのストックがあるけれど。一番大事なトイレ(固めて捨てられるもの)も置いてある。懐中電灯も、ラジオも、寝袋もなんていっておったら、あれもこれもになるし。取捨選択が肝心。


 備えあれば憂いなし、防災の意識高く買いだめに走り回るのもよいが、ここは普段通りルーチンも大切にしていきたい。

というわけで、おタケさんの店へ

         (単なる飲兵衛なだけ)。


「はい、ビールお待ちどおさま。」

と差し出されたビールの白い泡。


クー、上手くて口福。大根と鶏ひき肉の煮物のアテもうまい。


 大地震きたら、おタケさんは自分の家とお店、両方の片付けせないかんね。


「自分の家は、なんとかなるにしても。

お店が倒壊したら寝込むわよ。アタシ。

立ち直れないかもしれない。」


ひえー、そりゃ困る。私はどこでビール頂けばいいのさ。病院の仕事なんて適当に終わらせて、こっち片付けに来るわ。


そう伝えたら、おタケさんに

「あらー、病院はいいのぉ。

        アライちゃん、薄情ね。」

と笑われてしまった。


 東日本大震災の震災日当日、私夜勤明け。

突然地下からグラグラ揺れ出して。明けの日なんて泥のように寝入ってんのに、さすがに飛び起きたわ。勤務でいったら、術後の患者おってさ。東日本大震災当日は金曜日(手術の日)、揺れた後は一時的に停電になったけど、電気復旧したら手術再開したらしい。


 命に関わりのない手術なんてするなよ!(その当時は整形外科病棟におった)と、ムカついた記憶がある。


 手術後だから、患者の体拭きと着替えしてたら、また揺れて。

「清拭中止。巡回行って!」

と、副主任にキレられたりした。


震災きたのに手術しとるからだ、ボケー。

災害の時って本性が出ますわ。


 イラつきながら看護師で働くよりも、おタケさんの店手伝う方が断然いい。常連さんの安否も気になるし。長老さん(ご常連、94歳!矍鑠とされている)が、家の下敷きになってたりしたら、私救出しに行かな。長老さんは、おタケさんの店で出せれる水茄子の漬物が大好物なんだよ。水茄子食う前に死なれてたまるか。

 私も、まだまだビール飲み続けていたいし、食べたい物もあるし。死んではいられません!

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