第9話 ○○ハラスメント

 国分太一ぃぃ、お前もかぁ。


コンプライアンス違反なんて、上辺だけじゃないか。ハラスメントしましたと、潔く認めい。でもでも男子ごはんはどうなるの?あの番組好きなのにさ、飯美味そうじゃないか(自分で作らんくせに、そういうとこは言う)


 セクハラにパワハラ、モラハラ。〇〇ハラスメントって名のつくもの多い。私の時に、そういう概念すら存在せんかったから。


年配の医師が

「どうだ、調子は?」

なんて言いつつ、私の尻にタッチして去っていくのも、痴漢されたみたいで気分悪かったが、周り見渡してみても、どこもそこも似たような感じやった。

同期どうしで

「また、あいつ触ってきたよ。」

とぐちぐち文句言いつつ働いてた。懐かしくもなんともないが、そういう時代だったんだ。


 昭和女子だから、泣き寝入りするだけでもない。セクハラ医者の靴の中に、唾吹きかけたり、私物のかばん踏んづけたり、ささやかな仕返しは裏でしていた。



 ハラスメントも度合いによるかもしれんが、フキハラ(不機嫌ハラスメント)なんかは、ハラスメント認定に迷う。

空気清浄機の機能みたいに、汚れ具合で黄色から赤に変化するように、視覚で訴えられたら分かりいいが。

フキハラされて、業務に支障をきたす、心身ともにダメージを被ったらアウトなのか?判断基準もイマイチ理解してない、私。


 四十代を過ぎてから、具合のよい日がない。調子がすごく悪いか、普通に調子悪いのいずれかだけ。

私は不機嫌ハラスメント、パワーハラスメントしている自覚あり。忙しい時に、懇切丁寧な言葉遣いなんてできない、私には。同じ職場、同じ職業、同じ仕事をするスタッフさんに対して、あんただって同じ事してるでしょうよ、自分が苦境に立たせれてる時は!ってなるのよ。あー、修行が足りんのか私。


おタケさんも

「今の私は気楽よぉ。一人で店やってるから。店で働いてる時は、いろんな人いて大変だった。」

と、しみじみ。


それ言うなら、私も一緒。

いろんなスタッフ、いろんな医者、いろんな患者、いろんな取り決めごと。

理不尽な事ばっかしなんて書くと、不平不満の塊めと揶揄されるかな。


 金子みすゞの詩に

【みんな違って、みんないい】という表現があるが、違うのは妥協できても【いい】と言い切れるほど大らかやないわ私は。


 ビールジョッキの中身も無くなりそう。

ビール党の私は、毎日ほぼ100%ビールしか飲まないんだが、たまには趣向を変えてみるか。

〇〇ハラスメントする人は、頭の中の思考回路が出来上がってしまって、簡単に訂正できないのかもしれん。柔軟性に欠ける。


「おタケさん。次、ハイボールにして。」

と注文したら、おタケさんに

「珍しいわね。

   アライちゃんがビール以外を飲むの。」

と言われた。

「ハラスメントしたがる人って、虚栄心高く、自分に従わせたい俗物やと思うわ。」

と、私が述べると

「たまってる鬱憤を、弱い立場の人に吐き出してるだけよ。」

と、おタケさん。

うむ、それって卑怯なやり口だ。


 きんぴらごぼう(千切り人参入り)が、今日の酒のあて。甘辛い味付けでうまい。根菜食べて根気強くいきたいと願う私がいた。

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