第8話 汚な好き(きたなずき)

 ダラダラとスマホ触って、ベッドでグータラしとったら、おとんに

「掃除しろ、自分の部屋ぐらい。」

とお小言もらう。

どっこいしょっと。渋々掃除するんだが、掃除機は面倒なのでフローリングワイパーで済ます。これで十分。


 またベッドに戻ってゴロンと横になってた。至福だ。と、まどろんでいると、今度は

「風呂沸いた。」

のお知らせ。

えーと、風呂な。

ありがたいことに、明日も休み。

「風呂入らん。」

と、おとんに伝えると

「なんで?」

だと。


 風呂って、入るまでが面倒くさくないかい。裸になって、シャワー浴びて湯船に浸かったら、やっぱ風呂気持ちいいなってなるんやが。風呂場までいって、下着脱ぐ行為がだるいんや。


風呂キャンセル界隈。


私は、その言葉が横行する前に、キャンセルしておった。

 次の日、仕事の時は迷惑になるから入るけど、仕方なしに。もう一回

「今日、風呂入らん。」

というと、おとんがボソリと

「きたなずきやな。」

と呟いて戻っていったわ。


 おタケさんに、家でのやりとり伝えると

「やだー、アライちゃーん。

           毎日入りなさいよ。」

と悲鳴に近い声。

みんな、毎日風呂入っているの?

身体はきれいにしましょう、は小学校で習ったかもしれんが、風呂毎日入りましょうとは先生に言われていない。


 後からやってきた、富永のおっちゃん(建設業)にも、聞くと

「夏場なんか、朝晩2回入る。」

やと。私なんか、一回で十分やと思ってた。

おっちゃん

「きたなずき、か。うまい事言うな。」

笑っておった。


 きれい好きって言葉は、確かにある。やや神経質そうな雰囲気も醸し出しておる。しかし、大半はよい意味でとられる。

 汚な好き。

セサミストリートのオスカーじゃないわ(ゴミが好きでゴミ箱の中で住んでる、緑のモジャモジャの子)、そこまで究極じゃない。


 おタケさんが、ハイと差し出してくれたのは、玉ねぎと生ハムのマリネ、ビールのお代わり。汚な好きでもいいわい、私ゃアルコールで胃から消毒できるから。

 おタケさん、

「私も汗っかきだからさぁ。

 下着、毎日取り替えないと気持ち悪くて。」

えーと、私、風呂入らん日に取り替えてない…。気配を察したのかおタケさん

「やだぁ、アライちゃん。

        下着取り替えないのぉー!」

…。

「エンガチョ。」

「エンガチョ。」

小学生以来かも、エンガチョされたの。

大人二人に。

それでも汚な好きを、悔い改めて生きていこうとまで改心しないのは、私の中にオスカーの血が混じっているからか(どーでもえーけど)。

 

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