紛い物の幽霊

今日も最高品位の毒ガスをどうぞ

虫のように地を這う知恵はない

吐き気と共に熱気が来る

怠惰も正義も自由すぎて、飲んだ毒が進まない


私は大層でくだらない人間

この世には、大層で汚い嘘が余るほどあるのだろうだから貴方のくだらない綺麗な嘘になろう

恨まれたら許されないから、

私を恨んでる私で許して


笑顔で少女が手を伸ばして首を絞める時を待っていた

ごめんね、私は死ぬのが怖くなってしまったの

生まれた頃には死んでいる、生まれる前から死んでいる、

私一人くらい時代遅れで

くだらない目にいくらでも映れ、昼過ぎの太陽や、歪曲の世界地図、この部屋で壮大とくだらないと噛み締めて話そう

空を見れば、鳥を眺めて、紛い物の幽霊になって飛ぶのだろう



今日も絶対零度の火傷をどうぞ

虫のように喉を鳴らす見栄はない

夜明けの頃に瓦礫が降る

怠惰も正義も自由すぎて、飲んだくれと変わらない


私は逃走も至らない人間

あの世にも、大層で汚い嘘が僅かにもあるのだろう

だから貴方をくだらない綺麗な嘘にしよう

恨まれたり許せなかったりして、

私の腐乱している裸足で冷やして


笑顔で少女が首を伸ばして道を過ぎる車を待っていた

ごめんね、私は飛び込むのが怖くなってしまったの

踏まれた袋に似ている、生まれる前から轢かれてる

私ひとりくらい時代遅れで

くだらない目にいくらでも映れ、野うさぎの銃声や、窮屈な宝地図、この部屋で壮大とくだらないと噛み締めて話そう

空を見れば、鳥を眺めて、紛い物の幽霊になって飛ぶのだろう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る