眠る森、ハイウェイの夢

落胆の眼差しで上を目指す気球に乗り

ルドンの絵画の絵隅に宿り

近づいた鳥は重苦しく見えた

長く続くハイウェイが懐かしい


風か光かもわからない視界の端を突く、

くすぐったいもの

離れず、不眠の夜に火傷に変わる

微睡みか、お別れか、目を閉じる一瞬

ハイウェイの景色のリプレイが見えた


延々続くハイウェイの傍で眠る森に問う

これは貴方の見た夢なのか

どうか答えは出さないで欲しい

せめて生き延びて 無事ではない明日へ

延命していつかある無事へ

胸の内の街を燃やして、届かなかった絵空さえ燃えるよう

まだ私は明日には行けない今日の内に私を見つけて

幸福という伝言も届かない



沈黙と寝たきりで部屋を閉ざすカーテンが震え

額縁の錆びと汚れをはらう

描かれた鳥は息苦しく鳴いた

長く続くハイウェイが夢らしい


枷はピクリとも動かない、

視界の外を行く縋りたいもの

離れる、不燃の朝に、だけどで消える

微笑みが、お話しが、口をすぼめる一瞬

ハイウェイの景色のリプレイと消えた


延々続くハイウェイの傍で眠る森が言う

これは私が見た夢なのと

どうか答えは知らないでいたい

せめて生き延びて 無事ではない明日へ

延命していつかある無事へ

胸の内の街を焦がして、届かなかった貴方ごと触れるよう

まだ私は明日には行けない 今日の内に私を見つめて

幸福という伝言も、もう要らない



急いだ夜明けが、完成とうそぶき街を壊す

間違いの正し方も知らないで、燃やして消して

明日にも、きっとが必要なハイウェイ渡り

まだ私は明日には行けない 今日の内に私を認めて

幸福という伝言も意味がない

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