一原色のオーロラ
私だけが見た雲のオーロラ
滅入る程、ゆっくり動く
彩色に端を染める雲は、鳥の目印にもならず
傾く世界に頷いて、重い瞼で眠りこける
私を内側へ閉じ込めて、誰も知らない夜へ届ける
光に触れたひとときの輝きは、とても小さな視野の湖に降る
誰も見つけられなかった透明を、遠い空から反射して
何もかもを眺めて 瞳の奥の感涙を許す
消えた色の蛍光を明かす
何故か全てあったような気がした
何もない雲は、何もないまま全て見て
何もない私から広がる視野に全て託した
留められない世界の端が私の瞳の表面をなぞった
私だけが見た華のオーロラ
香る程、ゆっくり動く
原色に端で染まる花は、虫の見る夢にもならず
風吹き日毎にあおられて、細い根茎で眠り呆ける
兆しを土の中へ閉じ込めて、誰も知らない蓮を見つめる
光に漏れたひとときの呟きは、とても小さく喉の源を震わす
何も遂げれなかった亡霊を、遠い空から描写して
誰もかもを宥めて 瞳の奥の感性を澄ます
痩けた色の展望は赤く
何故か全てあったような気がした
色もない華は、風もないまま全て揺れ
色もない私から広がるシアンに全て託した
留められない世界の端が私の瞳の氷面をなぞった
屋根の軒先にもたれる青は、日々に息をつき今日を許す
日々の暮らしの真似事を続けて貴方に問う
こんな私に救われてくれるかと
何故か全てだったような気がした
色もない色は、何もないまま全てある
何もない私から広がる白に全て託して
留められない世界の端が私の瞳の光源をなぞった
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