傘下刺し
朝へ進もうとする日々は数秒前の悲願を嫌ってる、何を犠牲にして、知らない顔で居るのだろう。
雨、凌ぐために傘と一緒に持ち歩いた感情だって、差したら目立つからと閉じて重荷。
呼吸器代わりの言葉さえ、傘立ての影に隠れ、玄関前に置き忘れた。
雨が降るから外に出たんだろう。
宛もないままどこか行きたかったんだろう。
片手空いたまま手持ち無沙汰なのに、精一杯。
きっと酸素は薄くなる。言えなくなる度に減っていく。
きっと最期はうずくまる。癒えなくなる。
雨が降るために、蒸気奪う。
ただ、滅入るばかり。
いつ、癒えては無くなっていく。
願ったかも忘れた願いが重なる
叶い積み重なって、かさ張っていく
陽が差して、傘差して、何が刺したのか
雨粒ひとつ刺して、全てなくなる
空の眩しさに全て忘れた。
部屋の虚しさにも嫌気が指すが救えない街の視線も凍えてる。
何を惰性すれば、仕方ない、不憫で済むんだろう。
夜、凌ぐためにコート一着で街歩いた感傷だって、なびけば、霞む空と溶けて余所見。
目印代わりの孤島さえ、波立てば岩に削れ、随分前に描き疲れた。
雨が降ったら外に出るんだろう。
果てもないのに、どうにかなりたかったんだろう。
両手組んだまま手持ち無沙汰なのに、精一杯。
ずっと酸素は薄くなる。吸えなくなる口が渇いてく。
きっと最期はいなくなる。意味なくなる。
涙拭くたびに、正気疑う。
ただ、落ちるばかり。
いつ、見えて離れていく。
願ったから患った目眩が重なる
庇い積み重なって、瞼腫れてく。
日傘して、傘閉じて、何を指すのか
雨粒ひとつ指して、全てなくなる
空の眩しさに全て忘れた。
窓の外の出来事なのに、耳元で鳴る雨の音
ただ、眩しすぎて何も思いつかない空
朝へ進もうとする日々は数秒前の悲願を嫌ってる。
何を希望にして、知らない傘を差すのだろう。
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