海辺と海底
海辺のガラクタ本当を捜す私
暑く眩い焦げ付いた日々が
粘土やガソリンの匂いを放つ
水面に浮かぶ救命ボートを繋ぐ
錆びた光や酸素まるでアルコール
目に染みる
船出の蒸気のオーロラ見上げた
貝殻の星々目掛けて降るスコール
広がる空へと身を落とすクロール
この先は海だから この先は海だから
貴方の息だけ止めたって 幸はまだ遠い
少しずつ地図を書き換えるの
砂粒ひとつずつ消して 亡骸ひとつずつ沈めて
風化の歴史に隠れて近付いて 波の音で鍵を開けるの
貴方一人攫ったところで怪異と呼ばれ誰も気付かない
空より近い貴方の居場所 空より近い貴方の居場所
星や月映すナイフで、貴方を傷付ける
海底なんかでは届かない貴方の傷跡は晒されず
潮風が一瞬の異臭奪う
砂の亡骸から本名を捜す私
熱く掴めない焼け付いた涙が
珊瑚やフジツボの集いに宿る
水面を揺らす救命ボートは遠く
浴びた飛沫や塩素まるでアルコール
身に染みる
砂場の城壁の思い出崩して
灰殻の鬱々目掛けて打つスコール
広がる雲を掻き分けるクロール
この先も海だから この先も海だから
貴方が息の根止めたって 先はまだ遠い
少しずつ息を吸い戻すの
砂粒ひとつずつ数えて 亡骸ひとつずつ数えて
フーカーと狼煙に隠れて近付いて 涙の帆で舵を切るの
貴方一人忘れたところで怪異と呼ばれ誰も気付かない
空より近い貴方の居場所 空より近い貴方の居場所
星や月映すナイフで、貴方を傷付ける
海底なんかでは届かない貴方の傷跡は晒されず
潮風が一瞬の遺言奪う
海で会おう、また苦しめて
過呼吸が止まるまで徐々に繰り返す
海で会おう、また苦しめて
過呼吸が止まるまで徐々に繰り返す
空より近かった貴方の居場所 空より近かった貴方の居場所
星や月映すナイフで、貴方を傷付けた
海底なんかでは届かない貴方の傷跡は攫われて
潮風が一瞬の哀愁奪う
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