第2章 1話 兄への強い恩

 私は想像してみた。特訓した歌をカラオケボックスで歌って、友人の柿谷早稲に高得点で褒められて嬉しい思いをすること。


 カラオケに行くのは明日。その前に今日、実家の母に呼ばれている。いったい何の用だろう。


 用意はできているので物置きから自転車を出して乗り、走った。因みに私は車の免許はない。だから遠出はできない。するとしたら、バスか列車で行くしかない。


 お金を貯めて車の免許を取りたいと思っている。


 私はホテルの事務員をしている。早稲も同じ職場。私は、一人暮らしをしているからなかなかお金が貯まらない。毎月、少しずつでもいいから貯金しようと決めた。


 私なりに考えたのは、銀行の口座をもうひとつ作ってそこに毎月貯金していこうと思う。


 今日は午後から実家に行き、夜は早稲とカラオケに行く予定。だから、午前中は空いているので、銀行に行こうと思った。


 でも、それじゃあ休む暇がないとも思った。なので、急いでいるわけではないから、次の休みに銀行に行こうと思った。


 午前中はゆっくり寝てることにした。私は疲れやすいのが玉にきず。でも、仕方ない。これが、私だから。


 とりあえず、布団の中でそのようなことを考えていたので、それをやめて目をつむった。


 でも、一度起きて考え事をしてしまうとなかなか寝付かない。仕方ないのでパジャマ姿で朝ご飯を作ることにした。


 今は午前10時くらい。すぐに昼ご飯なので軽めにした。食パンを2枚焼いてマーガリンを塗りいつものテーブルに運び、食べた。香ばしくて美味しかった。


 そのあと、歯磨きをし、シャワーを浴びた。浴室から上がってスマホを見ると11時を少し過ぎた頃だった。


 今は8月、夏真っ盛り。暑いので薄着にしよう。黄色いTシャツに、緑色のハーフパンツを履いた。ちょっと早いがもう実家に行こう。お腹も空いていないので、昼ご飯は食べずに行くことにした。もし、お腹が空いたらコンビニでパンかおにぎりを買って食べればいい。


 そう思いながら、アパートから出て自転車で実家に向かった。


 久しぶりの実家。家族は両親と祖父母がいる。あと兄もいる。私は兄のことが大好き。以前、私が風邪を引いて高熱を出し両親はうつるのが嫌だからという理由で病院に連れて行ってくれなかった。でも、兄は違って、俺が連れてってやるよ、と言い病院まで車で乗せてってくれた。お陰で点滴をうったから熱は翌日には下がった。もちろん、風邪薬も病院からもらった。この恩は一生忘れない。逆に、両親をそのことについて憎んでいる。普段は両親と会っても普通にしているが。

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