第1章 3話 友人のお陰

 私の同級生は、竹道里美たけみちさとみといって、割と仲がよかった。この子に私の嫌いな男・杉田啓二すぎたけいじに言われたことを打ち明けよう。


 早速、LINEを送った。因みに今は仕事を終えて午後7時半頃。会って話す方がいいのだが、今日いきなり会うというのは里美にも都合があるだろうから、電話でもいいと思っている。

<こんばんは! 里美、久しぶり。何してた? ちょっと話したいことがあるんだけど会えそう? 無理なら電話でもいいんだけど、都合つきそう?>


 彼女からのLINEは約30分後にきた。本文は、

<こんばんは。今から会うのはちょっと無理かな。電話ならいいよ>


 やっぱりそうか。まあ、いい。私はすぐにLINEを送った。

<じゃあ、電話でお願い。何時くらいからなら話せそう?>


 里美からのLINEもすぐにきた。

<わたしはもうご飯は食べたし、あとお風呂入ったら話せるよ。多分9時過ぎかな。話せそうな時にLINEするよ> 

私は短文だが、送った。

<わかった、待ってるね>


 私も彼女と電話をする前に、しないといけないことをしてしまおう。家族の夕食を作り、それを食べ、食器を洗い、お風呂に入り上がった頃には9時くらいだった。


 二階の自分の部屋に行き、スマホを見てみた。里美からLINEがきていた。逆に待たせてしまったかな。私はLINEを送った。

<逆に待たせてごめんね。今、電話していい?>

 そう送ると、里美から電話がかかってきた。そして、杉田啓二とのことの

顚末てんまつをはなした。


 里美は言った。

『それは酷いね! わたしのことじゃないけど、ムカつく!』

「だよね! 共感してくれてありがとう!」

 私は持つべきものは、友達だな、と思った。


 里美は更に話を続けた。

『美鈴はこのままでいいの?』

 私は、

「ムカつくけど、今回はこのままでいいよ。それに、私が痩せれば何も言ってこないだろうし」

 里美は、

『そう、美鈴は前向きだね』

「まあ、痩せるきっかけにはなるかなって思ってね」

『なるほどね』

 と里美は穏やかに言った。

「そう、ありがとね。話し聞いてくれて」

『いえいえ、また何かあったら言ってね。話を聞くことはできるから」

 そう言ったあと、電話を切った。


 私の気持ちはスッキリした。今日、話せてよかった。里美に感謝。それまでは、気持ちが悶々としていたので、明日、早稲と遊ぶのも理由は発散のためだったけど、もう発散できたから、楽しむために行くことにした。


 こういう明るい気持ちになれたのも、里美のお陰。それと、ダイエットもする気になったし。まずは、糖質制限から始めよう。

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