第五詩・夕焼け空の天使の梯子から降りてきた異形

 美しい夕焼け空がボクの目に映る。

 雲の間から差し込む天使の梯子。

 ボクが思わずスマートフォンのレンズを向けて、美しい夕焼けを写すと。


 黒い人影のようなモノが梯子の中に見えた。

 降りてきた黒いヒトカゲは、とても巨大で。

 ボクが住むアパートの近くに立っていた。

 見上げるほど巨大な黒い霧の巨人。

 

 スマートフォンのレンズで撮影すると、何も写っていなかった。

 ボクが首をかしげていると、黒い霧の巨人の心とボクの心がシンクロした。


 ボクは黒い霧の巨人になった。

(寂しい寂しい、誰もボクの姿は見えない)


 ボクの足先には小さなアリンコの群れ。

 ボクは見えない黒い霧巨人の足でアリンコを踏み潰す、何回も、何回も。


 見えない巨人の重みの分だけ、地面が凹んでアリンコが潰れた。

 大人のアリンコも、子供のアリンコも。

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