「ぼくがわざわざ尺を譲った甲斐もあったもんよ～」ぼんやりと携帯画面にある利佳が、上げた魔性な微かにノイズが混ざる声を、聞く初老の男性は、写真からの声は、間違いなく娘である事を認め、横目で秘書に一瞥し、如何にか己の娘に、何かがあったのではと不安を強く抱く彼。

　　動く写真は、誰かのいたずらかと、言うように、左手の人差し指で携帯画面を、指差す初老の男性の額から、滲んだ汗に一瞥し、不甲斐なくにも、自分にだってよく知れないのだと、ホラーに感じる写真に、眉間を嬲られる秘書は、猛然と首を横に振る。

　　「どうされましたか、」左手を右肘に握り、右手で繊細な頬を支える利佳の写真は、流し目で初老の男性を見て、沈む雰囲気に、満たされる世界をよりを、楽しむよう右側の口元を上げ、「返事しないのですか？」急に勝手に喋り出すだけじゃなく、動く写真に絶句し、途方に暮れる秘書は、ぱちくりし、チラッと左側にあるテレビに一瞥する。

　　”ドクンー”突然、胸の奥を強打する、消したはずのテレビが、急に人影が徐々に、深い紫色の粒を連れ、テレビ画面を占拠することに見開かされる秘書、「え…？」テレビが自我が、芽生え動き出す事に絶句され、猛然と眉間に皺寄せた秘書は、前のめりになり、急いで机に置いたリモコンを手に取り、申し訳なさそうに携帯画面に視線を、奪われる初老の男性に言う、「し、失礼します。」

　　軽くひんやりとした空気を吸いこみ、急いで右手でリモコンを強く握り、テレビに向け、ボタンを押す秘書、「うっ…！」どれだけ強く押しても、言うことを聞かないテレビに、焦燥感を覚え、戦慄する身に脳内を脅かされる秘書、「あ、あっはは…」必死にテレビに浮かんだ人影を、消したいと切に思い、リモコンじゃ消さない現在に、不気味さを味わる秘書、内心が気まずい感情に充填され、苦笑いする彼は、恐る恐ると左手で後頭部を擦り、ぼんやりと携帯画面を見つめる初老の男性に、視線を向く彼は、このスリルは、いくらくれようとも、買えるもんじゃないのだぞと、世界に叫んでやりたい彼、「テレビが壊れたみたいですね。」

　　心臓の鼓動が段々確実にも、早くなる初老の男性は、ごくりと固唾を飲み込み、眉間に皺寄せ、軽く白髪が混ざる黒い髭を擦り、横目で後ろにあるテレビに、浮かんだシルエットと、携帯電話の上で、佇む黒い人影を見比べ、歯を噛んで、携帯画面にあるシルエットの、丸い頭に子供が描く落書きみたいな姿に違和感を感じ、小太りの四肢と楕円の胴体をしたシルエットを観察し、踏まれる利佳の写真を視線を向く。

　　「あれ…おかしいな…」両手でリモコンを強く握り、不気味なテレビの画面を、消したいと強く祈る秘書、何度も押しても、微動だにしないテレビ画面にあるシルエットの、全くもって自身の行為になど、影響を受けずに、軽く両手を上げ、自分を馬鹿にする仕草に、焦りが段々募る彼は、モコンを握り潰すように、両手に力を入れた、歯を噛み、神様にふざけるなと、祈りを捧げるのが効かないと言うのならば、罵倒する他ないと、思う彼はぽつりと沈む言う、「どうしてリモコンで消せないんだだろう…」

　　「このリアクションはちょっと予想外かな～」まったりと黒い両手を上げるシルエットは、秘書と初老の男性の反応を見て、二人を嘲る、「もっと驚くかと思ってたのにさ？」ノイズが混じった耳障りな声と、自分たちの反応を、見る口調に眉間に皺寄せて、軽く息を吸いこんだ初老の男性、娘の写真の上で、突っ立つシルエットに、苛立ちを覚え、両肘を机に、突け怒りを抑える、「君は何者かね。」

　　「ぼく？」軽く右手の人差し指を立て、自身の顔を指差し、利佳の写真を踏んだシルエットは嬉しく、両手を頬に付け、初老の男性の質問に笑う、「世界に救いを齎す神様さ～」ウィンクを送るシルエットの、右目からまったりと近づく深い紫色の小さなハートに、絶句され相手には一体何を言うのだと、困惑気味となる初老の男性。

　　「かみさま…」ぼんやりとシルエットが上げた、耳障りな声を耳にし、シルエットが紡ぐあまりにも意外なる台詞に、頭が殴られる秘書は、夢をとか、或いはプレッシャーで幻でも、見てるんじゃないのかなと、不安になる彼は、ごくりと喉元に引っ掛かる唾液を、強く飲み込む。

　　”ドーン！”突然、強く壁を殴った音に、眉間に皺寄せられ、猛然とドアに目を向く初老の男性、会議室のドアが、切羽詰まった表情を、浮かぶ警備の制服を着た、矮小な男性に突き破られ、額が大粒の汗に濡らされる彼の、息を切らす現在に戸惑い、小首を傾げる初老の男性、「どうかしたのかね君ー」

　　「たっ…！」否応なしに総統の話を遮り、やけに悠長な二人に、心臓が確実にも不安に、射抜かれ、まったりと額に沿って、左側の太い眉毛の上にある、赤い黒子を濡らする汗の粒を、気にする余裕を無くし、強く息を吸いこみ、二人の戸惑う表情に、大きな声を上げる矮小な男性、「た、大変です！」