7.叔母の話

 確か高校?いや、中学かな。

 夜八時くらいからやってた番組。たけしさんの。ホラーとかオカルト、ミステリみたいなのとか、たまに感動ものとかやる番組。あれで、なんとか村ってやっててね。ほんと、こわかった。

 それであの村、青森にあるっていうじゃない。もう、学校で大騒ぎ。探してみようぜって、調子乗った男子とか、その取り巻きの不良女子とかね。

 何日かして、また大騒ぎ。どうしたんだろうって思ってさ。


 見つけたっていうのよ。その村。


 そのときはスマホもケータイもなかったから、地図に点を打ったものだったり、フィルム写真だったりを持ってきて。

 確かに、テレビでやっていたような薄暗い雰囲気の廃村。特にこう、ひとごろしが起きたような、というか、あの気持ち悪い感じ。

 ええ、これが。って感じだった。


 ただ、また数日して騒いでるの。喧嘩までして。

 あのあと、何人かがその場所に行ったみたいだけど。

 そこにはなんにもなかったんだって。


 そんなはずはない。見つけた人たちももう一度行ってみたんだって。

 でも、見つからない。どこにもない。行ったはずの場所なのに。

 結局は集団ヒステリーだろうってことで、その場はおひらきになったんだけどね。


 じゃあ、この写真。一体何なんだよ。そういう話になった。


 ペンキで変な文字が書かれた大木。何書いているのかわからない看板。これぐらいならともかく、風化しかけたトタン小屋だとか、瓦葺きの屋根の家だとか。そういうのを学生が用意できるはずはない。

 どこかにこれがあるはずで、それを撮影してきたはずなの。絶対に。

 それだけがずっと不気味で、気味悪くって。でも皆、忘れよう。気のせいだったんだって。

 でもたまに思い出して、やっぱり気持ち悪い。ほんと、なんだったんだろうね。


 気になる?んじゃあ、行ってみる?

 私も一回、行ったことあるし。

 そんな遠くでもないよ。近所も近所。


 だってそこ、学校の裏なんだもの。

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