『無』という役立たずスキルで異世界に召喚された

ムハンマド・リズキ・アル＝イムロン。インドネシア出身の普通の高校生だった彼は、突然、学校ごとファンタジー世界『エルドラント』へ召喚されてしまう。

周りの生徒たちが『炎帝』や『聖癒』といった伝説級のスキルを手にした中、リズキに与えられたのは
[Nothing]——「何の効果もない」と記されたスキルだった。

「失敗した勇者」と嘲られ、疎まれ、王国によって**魔物だらけの森へ捨てられた彼。
しかし、「無能」というレッテルの裏に、恐るべき真実が隠されていた——

[Nothing]は、無ではない。
あらゆるものを「無」にする力だった。

虚無から武器を生み出し、敵の魔法を無効化し、存在そのものを喰らい尽くす——
リズキは気付いていく 自分こそが、この世界で最も危険なスキルの持ち主だと。