第5話 明かされる想い
「もう、会えないんだろうな。」
そういうと玲は口を閉ざして、
どこか悲しい表情を浮かべた。
────そうか、そういうことか
彼女には何故か見覚えがあった。
似たような人と会ったことがあるだけだろうと
思ってた。けど違った。
僕は過去にあの公園で、
女の子と話してたことがある。
名前も知らない、お嬢様と。
まさか、あのお嬢様が
今、目の前にいるなんて
複雑な気持ちだった。
嬉しい様で、申し訳なかった。
「今でも彼のことを思い出すと
心がキュって締まるの。」
玲は悲しいそうに俯く
「私、今気づいたの、彼に一目惚れしたんだって。
彼のことが好きなんだって、でももう遅いんだ。」
「…………」
「叶多君……?どうしたの……?」
玲が不安そうに覗き込んでくる。
どうやら表情に出てしまっていたようだ。
「…………なんでもな───」
「絶対嘘!!いつも顔見てるもん!!」
「……そうだね。」
「私で良ければ聞くよ?」
「…………ごめん。」
「そっか、人には言いにくいことだったんだね。
無理に聞いちゃってごめんね?」
そういって玲は食器の片付けを始めた。
────そうじゃないのに
勝手にいなくなってごめん。
僕のせいで悲しい思いをさせた。
僕は……僕は────
そんな感情にのまれていると
玲が食器を片付けて戻ってきた。
「でもね、悪いことばっかじゃないんだ。
こうやって叶多に出会えた。それだけでも幸せ。」
「…………っ………うぅ………」
「叶多君!?どうして泣いてるの!?」
玲の言葉に泣き出してしまった。
なぜ泣いているのか分からない。
────伝えなきゃ。
僕の心にはその思いで満たされた。
でも、伝えたらどうなるんだろう。
もうこの生活は続けられないかもしれない。
僕は、もう玲なしじゃ生きられないみたいだ。
怖い……怖い……
でも言わなきゃ!
僕はそう決意し、涙を拭い
まっすぐ玲を見つめた。
「玲……実は僕───」
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