第3話 甘えたがりの少女

同棲(?)が始まってから、早1ヶ月。

玲の学校での振る舞いはいたって普通だった。

いじめられることもなく、同棲のことを言いふらすこともなく。

天野はとてもいい子だった。素直にそう思った。

ただ、この1ヶ月のうちに変わったことが一つ。


「叶多〜♪おかえり〜♡」

と、このように帰ってくると甘えた声で

抱きついてくることが日課になっている。


玲は僕と違って部活に入っていないから、

玲が先に帰っているのがほとんどだ


「ただいま、玲。一旦離れてくれないか?」

「はぁい」


天野は名残惜しそうに離れる。

帰ってきて早々に抱きつかれるなんて

全世界の男子からしたら羨ましいだろうが

意外にもうっとうしいのである。


「ねぇ叶多〜、晩御飯にしようよ〜」

「もうそんな時間か、待ってて、作るから。」

「はーい、食器準備して待ってるね~」


今日の晩御飯は生姜焼きだ。

意外にも玲はこういうのが好きらしい。


「まだ〜?」

「今作り始めたところでしょうが。」

「むぅ〜、早く〜」

と玲は待てないのである。



「ほら、できたよ。」

「待ってました〜!」

と言ってなぜが抱きついてくる。


「…………なんで抱きついてくるの。」

「甘えたいから!」

「素直だな!!おい!!」

「えへへ〜、いいでしょ?」

「まったく……早く食べないと冷めちゃうよ。」

玲を引き剥がし、席に着く


「「いただきまーす」」

「ん!美味しい!!」

「うん、我ながらいい出来だ。」

僕と玲は生姜焼きを口に運び

お互いに感想を述べる。


晩御飯を食べ終えてから玲が言い出す。

「ねぇねぇ、叶多。私の過去とか気にならないの?」

「ん〜、玲のトラウマを掘り返したくないからいいかな」

「そっか……ありがとう。でも、話すよ。」


そうして、玲の過去の話を聞くことになった。

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