グラインダー・パークへようこそ
にゃんぽこ
第0話
〜This summer, you'll never bounce alone〜
乾いた風が、看板の「WELCOME TO GRINDER PARK」の文字を揺らしていた。 巨大な遊園地跡、フェンスは錆び、観覧車は止まり、 だがどこか、肌が粟立つような湿っぽさが漂っている。
「ハハ……冗談だろ……? 本当にここで、行方不明事件あったってのかよ……」
レイジ・カナザワ(日系アメリカ人、ホラー映画オタク)はスマホを構え、 廃墟探索YouTubeの撮影をしていた。 バズればいい、小遣い稼ぎ。 まさか、そこに**“本物の地獄”**があるとは知らずに。
そして、あの音が鳴る——
チャリ……チャリ…… 金属とハイヒールのミスマッチな音。
「……誰か、いるのか?」
次の瞬間、スピーカーから流れ出すミュージック。 かつてのテーマソングが、ノイズ混じりに繰り返される。
♪ Come on kids, let's bounce all day〜〜〜 💕♪
パチッと照明が点く。観覧車がギギ……と不気味に動き出す。 そして、ステージに姿を現す女がいた。
「モモンガ♡グラインダー、登場だよぉ〜〜〜〜〜ん♡」
ハート柄のチェーンソーを肩に担ぎ、 Gカップは弾み、ヒップは暴れ、スカートからは何も隠せていない。 身長190cm、骨格すらバウンスしてそうな極悪ボディ。 だが、笑顔だけは……アイドル級。
「ねえねえレイジくん♡ “あそび”にきたんでしょ?♡」
「や、やばい……!!」
逃げるレイジ。 追いかけるモモンガ♡グラインダー。 廃墟のメリーゴーランドが勝手に回転し、 トンネル・オブ・ラブには血が染み込み、 チュロス売り場からは人体の一部がこんにちは。
「捕まえたら……バウンス地獄だよぉ♡」 「来るなぁぁぁあああッ!!!」
そして—— 彼女のハイヒールが、レイジの背後で「カツン」と鳴った——
To Be Continued…?
「カツン——!」
ハイヒールの重みが、レイジの背中にずしりと乗った。
振り返ると、そこにいたのは—— モモンガ♡グラインダー。 爆乳爆尻の彼女は、まるでホラー映画のヒロインのように笑っていた。
「もう逃げられないよ♡ さあ……バウンス地獄の始まりだ♡」
彼女はチェーンソーを胸元に当て、スイッチを入れた。 ギュイイイイン……と唸りを上げる刃は、じわじわと肌を滑る。
レイジは叫び声をあげたが、身体は全く動かない。 まるで重力が増したみたいに、尻の圧と爆乳の振動に押し込められていた。
「はあはあ……感じてるでしょ♡? 恐怖と悦楽が融合する瞬間……!」
突然、モモンガ♡グラインダーは背後から抱きつき、 その爆裂バウンスでレイジの全身を揺らしはじめる。
廃墟の壁に、チェーンソーの音と喘ぎ声が交錯し、 観覧車が一回転、二回転……ゆっくりと回り始めた。
「もう逃げられないの……さあ、地獄のジェットコースターに乗って♡」
だが、絶叫の中、レイジの顔には謎の笑みが浮かんでいた。 「……なんだよこれ……怖いのに……なんか……最高だ……!」
そして、モモンガ♡グラインダーの爆裂ボディがぶつかり合う廃墟は、 彼らの絶叫と笑い声がこだまする最狂の遊園地となった。
完
グラインダー・パークへようこそ にゃんぽこ @nyannpoko
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