第Ⅰ章 第22話
だが、モルガナイトの振り翳した剣は振り下ろされる事なく、別の剣に受け止められていた。
「・・・全く、私達が目覚める前に私達の主をこの様に傷付け、殺そうとするとはね?随分と図太く卑しい真似をしてくれる」
剣を抜いた声の人物は口調は穏やかなのだが、その言葉の節々には怒りが孕んでいた。
「まあ、お前の言う通り、まさか目覚めて会う主がこの様な姿なのも許せないが」
別の人物はそう告げた。
「二人とも今はそう言ってる場合では無いでしょう?今はモルガナイトの対応と主の傷を直さないといけないでしょう?」
二人の人物の怒りを鎮める為に女性はそう言った。
「分かった。アクア、それとペリドットさんはモルガナイトとアベンチュリンの方を私は翠桜様の傷を治癒してからだ」
男性はそう指示した。
「了解」
「分かったが、治癒はお前だけで平気か?」
もう一人の男性はそう答えた。
「この位の傷と出血量なら問題はありません」
男性はそう答えた。
「なら、任せた・・・」
男性はそう言った。
「翠桜様、傷の治癒をしても良いでしょうか?」
優しい声が私の耳に聞こえた。
「だ・・・誰・・・?」
思っていた以上の出血量で私の意識は朦朧としていたが、私は声の主にそう聞いた。
「私は貴女の味方です」
優しい声の主はそう答えた。
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