第Ⅰ章 第17話
私達は頼まれた買い物を済ませた。
「これで頼まれた物は全てでしょうか?翠桜様」
桜華はそう言った。「はい」
私はそう答えた。
「なら・・・長居は無用ですね。黒柳家の離れに早く戻りましょう・・・」
桜華がそう言い終える前に異変が起きた。
「どうかしたの?ゴジェナイト」
桜華は自分の宝石執事であるゴジェナイトにそう聞いた。
「先程から禍々しい気配を感じます。如何やら、気付かないうちに密かに囲まれていた様です」
ゴジェナイトさんはそう答えた。
「・・・ヘリオドール」
桜華は自分のもう一人の宝石執事に声を掛けた。
「はい、桜華様」
ヘリオドールはそう答えた。
「悪いけれどこの荷物を持って先に黒柳の離れに帰ってくれる?それとこの状態の事を一応、徠華兄さんにも報告してくれる。
このまま何も無く済めばそれが一番、良いんだけれど」
桜華はそう言った。
「承知致しました、桜華様」
ヘリオドールさんはそう答え、その場から離れた。
すると「まさか、貴女まで一緒だったのね?櫻宮家のナイトさん」
そう言い、姿を見せたのは普通この場にいる筈の無い人間だ。
「・・・・ど・・・如何して・・・ここに・・・」
私は驚きの余り声が出なかった。
「何故って・・・それはね・・・貴女を殺す為よ」
その人物は残酷な事を私に告げた。
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