第Ⅰ章 第11話

「確かにそうかもしれませんが、お一人で外出をさせるのは流石に危険です」

桜華はそう言った。


「桜華の言う通りです、翠桜様」

そう言ったのは徠華さんだった。


「・・・そ・・・そうですよね」

私はそう答えた。


「はい」

桜華はそう答えた。



「私は、翠桜様と行くけど徠華兄さんは?行くの?」

桜華は兄の徠華さんにそう聞いた。


「いや、私は行かないが、アベンチュリンを同行させる」

徠華さんはそう言った。


「そうなのね。


・・・なら、早めに行って帰って来ましょうか。

黒柳家の人達に気付かれない様に戻れば問題ありませんよ。


・・・もし、見つかったら一緒に怒られに行きますので」

桜華はそう答えた。


「・・・分かった」

私はそう答えた。



「じゃあ、私達は行くね、徠華兄さん」

桜華はそう言った。


「ああ、気を付けて行っておいで」

徠華さんはそう答えた。



私はまだ、知る由も無かった。

これから起きる事を。

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