第11章「放浪にゃんエフタ、約束の毛玉」
了解にゃ!
ではあらためて 『士にゃ記』第11章「放浪にゃんエフタ、約束の毛玉」 を、
正統的+猫的ユーモアで、章の分量規定(1300〜1800字)に沿ってお届けします🐾
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✨『士にゃ記』第11章
「放浪にゃんエフタ、約束の毛玉」
ギレアデ地方に、一匹のたくましいオス猫がいた。名はエフタにゃん。
しかし彼の生まれには影があった。母は正妻の猫ではなく、
そのせいで同腹の兄弟たちからは、
「おまえにゃんには相続のしっぽは渡さないにゃ!」
と追い出されてしまったのだ。
居場所をなくしたエフタにゃんは、
ノブという荒野の町へさすらい、
そこで似た境遇の野良にゃんたちと群れを作り、
生き方も戦い方も独自のものを磨いていった。
放浪にゃんの中でも、とびきりの知恵と腕をもつリーダーへ。
それがエフタにゃんの若き日だった。
ところが数年後、ギレアデの地が大きく揺れる。
アモンにゃん族が侵略を開始し、にゃん村の畑や家々を襲い始めたのだ。
イスラエルにゃんたちは窮地に陥り、
かつて追い出したエフタにゃんの名を思い出した。
「……あのエフタにゃんしかおらんにゃ……」
「でも追い出したの、わたしたちにゃ……」
「いや、今はそんなこと言ってられんにゃ!!」
こうして代表に選ばれた数匹が、エフタにゃんの隠れ家へ向かい、
深々と頭を下げて頼み込んだ。
「エフタにゃん……!どうか、どうか指揮を頼むにゃ……
アモンにゃん軍を退けられるのは、あんたしかおらんのだにゃ……!!」
エフタにゃんは、しばらく無言で尻尾をゆらゆら。
彼の内には、追放された痛みが今も生きていた。
だが同時に、生まれ育った土地への愛情も消えてはいなかった。
「わたしを戻すというなら……
もしヤハにゃんが勝利をくださった時、
ほんとうに統率者として扱ってくれるのかにゃ?」
猫たちは即答した。
「もちろんにゃ!!」
こうして、エフタにゃんは正式にギレアデの長として帰還。
まずはアモンにゃんの王へ使者を送り、
「なぜ襲うにゃ?」
と理詰めで交渉する。
エフタにゃんは放浪生活で身につけた知識と歴史理解を駆使し、
イスラエルにゃんが奪ったとされる土地の件を、
丁寧に説明して正そうとした。
しかしアモンにゃん王は頑固で、話を聞く耳をもたない。
「うーにゃにゃ!その土地は我らのものにゃ!!
返すまで攻めるにゃ!!」
結局、戦いは避けられなくなった。
エフタにゃんは、出陣の前、
胸の奥で静かに祈った。
そして思わず、ひとつの“誓い”を立ててしまう。
「もしヤハにゃんが勝利をくださるなら……
わたしが帰ってきたとき、
最初に家から出迎えてくるものを、
ヤハにゃんに献げるにゃ……
毛玉でも尻尾でも、なんでもにゃ……!」
これは、少し無茶がある誓いだった。
エフタにゃん自身、それがどれほど重く危険な言葉か
深く考えきれていなかった。
やがて戦いは始まった。
ヤハにゃんの霊がエフタにゃんの上にふれ、
彼は驚くべき指揮を発揮した。
アモンにゃん軍は混乱し、
ついにイスラエルにゃんが大勝利を収めた。
勝利の興奮と感謝を胸に、
エフタにゃんは家路を急いだ。
だが──家の戸口から飛び出してきたのは、
なんと、彼のたった一匹の娘にゃん。
鈴をつけて跳ねながら、尻尾をフリフリして。
「お帰りなさい、お父にゃん!!」
エフタにゃんの心臓は凍りついた。
そして叫んだ。
「ああ、わたしの子よ……!
なんてことをしてしまったにゃ……!」
娘にゃんは、誓いのことを聞くと、
深い悲しみを抱えつつも、静かに言った。
**「お父にゃんがヤハにゃんに誓ったこと……
にゃらば、わたしはそれに従うにゃ。
ただ、友達のにゃん娘たちと
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