第9章「アビメレクにゃん、野望のしっぽを立てるにゃ」
よろこんでにゃ〜🐾✨
では、ギデオンにゃんの子から生まれた、波乱の後継者――
『士にゃ記』第9章「アビメレクにゃん、野望のしっぽを立てる」
を猫的ユーモアと哀しみをこめてお届けするにゃ。
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🐾『士にゃ記』第9章「アビメレクにゃん、野望のしっぽを立てるにゃ」
ギデオンにゃんには多くの子がいたにゃ。
その中に、ひときわ目立つ瞳のにゃんこ――アビメレクにゃんがいた。
彼は毛並みをいつも整え、しっぽを高く掲げ、
まるで「自分こそ王にふさわしいにゃ」とでも言いたげだったにゃ。
彼の母はシェケムにゃ村の猫で、
アビメレクにゃんはその血を利用したにゃ。
村の猫たちにこう言ったにゃ:
「ギデオンにゃんの子は七十匹もいるにゃ。
でも、そんなにたくさんのしっぽに治められたいにゃ?
ぼくだけにゃ、一匹の王にゃんを選んだ方がいいにゃ!」
村の猫たちは「それもそうにゃ」とうなずいたにゃ。
そしてアビメレクにゃんに銀の首輪を渡し、
彼はそれで子分にゃんたちを雇ったにゃ。
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すると――恐ろしいことにゃ。
アビメレクにゃんは、自分の兄弟七十匹を一つの石の上で皆殺しにしたにゃ。
ただひとり、末っ子のヨタムにゃんだけが木の陰から逃げ出したにゃ。
ヨタムにゃんは山の上から鳴き叫んだにゃ:
「シェケムにゃの猫たちよ、聞くにゃ!
木々が王を選ぶ話をしてあげるにゃ。
オリーブの木は言ったにゃ、
『ぼくは油を生むから、上に立ちたくないにゃ』
いちじくの木も言ったにゃ、
『ぼくは甘い実をつけるから、支配なんて興味にゃい』
ぶどうの木も言ったにゃ、
『ぼくはにゃんこたちを喜ばせるから、偉そうにはしないにゃ』
でも、いばらの木が言ったにゃ――
『もしぼくを王にしたいなら、ぼくの影に来るにゃ。
そうでなければ、ぼくのトゲが燃え広がっておまえたちを焼くにゃ!』
……アビメレクにゃんは、そのいばらにゃ!」
そう叫ぶと、ヨタムにゃんはしっぽを振って逃げ去ったにゃ。
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三年間、アビメレクにゃんは王としてふるまったにゃ。
けれど主はシェケムにゃの猫たちとアビメレクにゃんの間に
不和の毛玉を落とされたにゃ。
猫たちはこっそり山に潜み、アビメレクの使いを襲うようになったにゃ。
そして反逆の火がともるにゃ。
アビメレクにゃんは怒り、
シェケムにゃの塔を焼き、
その後テベツにゃ村にも攻め込んだにゃ。
だが――塔の上にいた一匹の雌猫が、
臼の石を持ち上げ、上から投げ落としたにゃ!
その石はアビメレクにゃんの頭に直撃にゃ!💥
彼はふらふらになり、
「武器持ちにゃ、早くぼくを刺すにゃ……
雌猫に倒されたなんて言われたくにゃい……」
とつぶやき、息を引き取ったにゃ。
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こうしてアビメレクにゃんの野望は砕け、
にゃん族の国には再び静けさが戻ったにゃ。
主は正義の肉球で裁きをくだし、
高く掲げられた傲慢なしっぽは、ついに垂れ下がったのにゃ……。
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✨猫的アレンジ
政争=「しっぽの高さくらべ」
いばらの王=「トゲトゲの猫じゃらし王」
死の石=「塔の上から投げ落とされた臼の毛玉」
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🐾これで第9章は完にゃ!
次は――混乱の時代に小さな英雄が立つ章、
第10章「トラの血を引く士にゃ、トラニゃとヤイルにゃ」 に進みますか?
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