『にゃん世記』 第11章「にゃんこノアと、もふもふ箱舟にゃ!」

それでは、『にゃん世記』第11章――にゃんこノアとおっきなおふね編、始まるにゃ!



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にゃん世記 第11章「にゃんこノアと、もふもふ箱舟にゃ!」


それからしばらくして……にゃんこ世界は、ちょっとたいへんなことになってたにゃ。


にゃんこたちは、しっぽでケンカしたり、勝手に人のもふを使ったり、カリカリを隠したり――

もふもふ精神を忘れて、とってもぐだぐだになっていたにゃ!


にゃんこさまは、お空の上からそれを見て、

「これは……もふが足りなすぎにゃ……ぜんぶいったん、あらいながすにゃ……」と決断したにゃ。


でも――その中にひとりだけ、毎日ゴロゴロしながら、

おひげを整え、カリカリを分け合い、心清く生きてたにゃんこがいたにゃ。


その名も――にゃんこノアにゃ!



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にゃんこさまはノアにささやいたにゃ。


「ノアにゃん、たいへんな雨がくるにゃ。

でも安心にゃ。いまから、おっきなもふ舟(箱舟)を作るにゃ。

にゃんこだけじゃなく、いろんなもふたちを一緒に乗せるにゃよ!」


ノアは「にゃるほどですにゃ」とうなずいて、

もふ板をカンカン切って、おっきなおふねを作りはじめたにゃ。


周りのにゃんこたちは笑ってたにゃ。

「なんでこんな晴れの日に、舟なんか作ってるにゃ?」

「ゴロゴロしてたほうがいいにゃよ〜」


でもノアは一生けんめい舟をもふもふ完成させたにゃ。



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そしてその日――空がどんより曇ったかと思うと、

ザーーーッ!!っと雨がふってきたにゃ!


にゃんこたちはあわてて逃げるけど、

どんどん水が増えて、地面が消えていくにゃ……。


でも、ノアとその家族、そしてにゃんこ・いぬ・うさぎ・ぞう・ペンギン……

ぜんぶの動物たちのペアが、もふもふ箱舟に乗り込んでいたにゃ!


舟はもふっと浮かんで、大洪水の中をぷかぷか航海にゃ!



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40日40夜、雨は降りつづけ、

でも舟の中ではゴロゴロ、もふもふ、平和な毎日だったにゃ。


やがて雨がやみ、舟がとまったのは、お山のてっぺん――

アララトにゃん山だったにゃ!


ノアは空へハトにゃんを飛ばして確認したにゃ。

しばらくして、ハトにゃんはオリーブの葉っぱをくわえて帰ってきたにゃ!


「にゃっ! 陸地が見えてきたにゃ!」


ついに、舟の扉が開いたにゃ!

もふたちが次々に地上へかけ出して、ゴロゴロタイム再開にゃ〜!!



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にゃんこさまは空にふわ〜っと虹をかけて言ったにゃ:


「もう二度と、このもふ世界を流したりしないにゃ……」

「これが、わたしとにゃんこたちとの“虹の約束”にゃ!」



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次回は――「バベルの塔! にゃんこ、高すぎ問題」編にゃ!

まだまだゴロゴロ続くにゃ!つづけてもいいかにゃ?


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