第20話 登校⑤

副会長との話を終え教室に戻るとクラスメイトの視線を感じたが気にせず席に戻り次の授業の準備を進める。


「おい、副会長と何話したんだ?」

「逃げたやつに話すことは無いな」

「あれは2人の邪魔かなって思って2人にしてあげたんだよ」

「はぁ、特に大事な話じゃないよ」

「ほんとか?クラスではやっぱり莉央と副会長が付き合ってるんじゃないかって噂してるぞ」

「まー言わせとけば?」

「この先莉央に彼女できたら苦労するだろうな」

「なんで?」

「いや、まぁいつかわかるよ」


どういう事だろう、まぁ彼女はいるけど志保さんはやっぱり苦労してるのかな。


「莉央久しぶり!」

「うん、久しぶり」


いきなり目の前に現れたのは隣のクラスの甲斐葵、入学した時色々あって仲良くなった数少ない友達の1人というか純と葵しか友達はいないからこれで全部だ。悲しくないよ別に。

その後純の時と同様に連絡できなかった理由とかを話した。


「そっかースマホ無くしちゃうなんてドジだな〜」

「そうだろ?体調も崩すし早いとこ彼女作らせた方がいいんじゃないか?」

「人に心配されるほどドジじゃないよ」

「...」


なんで2人して真顔で見つめてくるんだ何も変なこと言ってないぞ


「あのね莉央入学して初めての体育校庭集合って黒板に書いてあったのに莉央はどこにいたっけ」

「体育館」

「音楽室行く時最終的にどこにいた?」

「理科室」

「つまりどういう事かわかる?」

「運が悪かったね」

「「なわけあるか!」」


どうやら俺はドジらしい、けどそれは学校ぐらいで基本的に生活ではそんなドジはしてないと思うけど、やっぱり運が悪いんじゃないか?


「まぁ、兎にも角にも元気みたいで良かった次授業あるから戻るね」

「うん、気を付けてね」

「隣の教室なのに何を気をつけるんだ?」

「たしかに」

「莉央は自覚ないのか?」

「?」

「なんでもない」


純は呆れたよう顔をして次の授業の準備をしに行ってしまった。

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