第17話 登校②

「志保さん起きてください」


「んぇ、時間?」


「僕も寝ちゃって10時になっちゃいました、すみません」


「え、私が膝枕なんかお願いしちゃったから?ごめんね莉央くん」


「いえ、釣られて寝ちゃった僕が悪いので気にしないでください」


「今日いっその事休んじゃう?」


「いえ、大丈夫ですせっかく準備もしたので今から行きますね」


「うん、わかった今日の夜ご飯は任せてね」


「はい、楽しみにしてます」


「うん、無理しないでね」


「ありがとうございます、それじゃあ行ってきますね」


「行ってらっしゃい」


はぁ、完全にやってしまった、志保さんに変な罪悪感を与えてしまったかもしれないと思うと胸が苦しい、帰ったらしっかり謝ろう。


「なんか新鮮だな」


自転車で10分くらい漕いだけど今までとは通学路が違うから新鮮に感じる、けど復帰一発目に遅刻はまずいかもな、いや案外2週間休んでても周りは特に気にしてないか、俺友達ほぼ居ないし。

悲しい自虐は置いといて、学校にとっとと行っちゃおう。


「やっと着いた」


それから20分くらい漕いで学校に着いた、久しぶりなのもあって少し緊張する、自転車を駐輪所に止め職員室に向かう、今は授業中だから廊下では誰にも会うことなく来れた。


「これか」


職員室前にある遅刻書なるものを書かなきゃいけないらしいからとっとと書こう。


「遅刻理由はまぁ普通に寝坊だしな」


寝坊とだけ書いてすぐに完成したので教室に向かう、今はたしか担任の英語の授業だったはず、さらっと遅刻書だしてノート取るか。

教室の前の扉を開ける。


「すいません、遅刻しました」


あれ、クラス間違ったかな、いや顔ぶれはいつものクラスだ、まぁ生徒はそんなもんだけどなんで先生も無言なんだ、もしかして俺が知らないうちに退学になってたりするのか?

数秒の沈黙の後先生が口を開き


「久しぶりだね、体調は大丈夫?」


「はい、おかげさまで良くなりました」


良かった、退学にはなってないっぽい。

まぁ久しぶりの登校だしそんなもんだよね。


「今まで休んでた分のプリントは後で渡す感じで大丈夫かな?」


「はい大丈夫です」


1番後ろの窓側にある席に座り、教科書を出す、準備してると隣の席から


「久しぶりだね、体調大丈夫?」


この人はクラスのギャルみたいな人、たしか名前は望月さんだっけちょくちょく話しかけられるんだけどいつかカツアゲされそうで怖い。


「うん、大丈夫だよ」


「元気で何より、何かわかんないことあったら聞いてね」


「うん、ありがとう」


案外見た目に反して優しいだよねこの人、前は男嫌いみたいな話もあったけどそれも単なる噂か。

そんなこんなで4時間目まで終了してお昼になった。





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