わな
俺は俺の思いで、出来ることをやってきたつもりだった。
でも、それでも、
気持ちが足りていないことがたくさんあることに気付かされた。
陽介おじさんに対しても。
冬和菜に対してもきっとそうだろう。
母さんが俺にあの時言ってくれた言葉がよみがえる。
ー 俺には全然、力が足りないよ。でも、気付けるように頑張る。 ー
ただ、それは俺だけの問題ではないとも思う。
心無い言葉を発していた通りすがりの人達も、
じろじろ見てきていた人達もそうだ。
障がいを抱えている人が周りの目を気にしないといけない、
ありのままで生きづらいこの社会。
したいことをしてるだけで、
別に誰にも迷惑をかけていないにもかかわらず、
ただ生きているだけで、
好奇の目にさらされる社会。
冬和菜は、障害を抱えている。
それは、紛れもない事実。
だが、尊重されるべき一人の人間であることもまた事実だろう。
このであいが『当事者になる』、という社会の罠だったとしても。
偏見や障壁の渦巻いた、このどうにも変えがたい社会を、
好きに生きていきたい。
君、冬和菜とともに。
君と罠 oira @oira0718
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます