周りの目と自立心
夏休みも終わり、
俺と冬和菜は2か月に1度くらいの頻度で会うようになっていた。
ファミレスとかに入ってゆっくり過ごすくらいなら、30分という縛りは気にしなくても良いようだ。
会うときは俺が冬和菜の車椅子を押して移動をしている。
冬和菜は、「電動だから良いんだよ?」というが、
俺が何か怖くて押すようにしている。
冬和菜は、「え、でも、本当に。。。」と遠慮するが、
俺は「気にしないで。それに充電も持たないかもだし。」と言い、
半ば強引に手動に切り替える。
道中、俺は大学でのことなどをその時その時に適当に話をするが、
冬和菜はどことなく下を向いている。
ー やっぱ疲れやすいのかな。 ー
と思うだけで、却って気にしない素振りで接する。
この時の違和感に、
少しずつ2年前のあのただ楽しい時間とのズレが生じてきていることに、
俺は気付くことが出来ず、
無意識に冬和菜を傷付けていることに気付くことが出来なかった。
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