陽介おじさん

母さんに言われて玄関周りの掃除をしていると、聞き覚えのある声が後ろ手に聞こえた。


「智くん、久しぶり!」


「陽介おじさん、こんにちは。今来たの?ひとり?」


「そうなんだよ。すまんな、遅くなって。」


「お、陽介っ。」


「兄さん、久しぶりだね。」


「陽ちゃん、、、よく来たね。」


「うん、ただいま。」


「まあまあ。東京からよう来たね。早く上がりなさい。」


「今日は、早めに晩御飯にしましょうね。」


― え、いつも16時とかでそもそも早いのに、更に今日は早いの? ―

と、俺は心の中で呟いてしまった。


ふいに母さんの顔を見ると、

目を細めた母さんと目が合った。


俺はどうやら心の声が漏れやすいタイプのようだ。 


「じゃあ、急ぐから智仁も手伝ってね。」


「はあーい。」


俺は、掃除道具を片付けてから、母さんたちのいる厨房へ向かう。

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