浮気が大好きなんですけど、ダメですか?

エリー.ファー

浮気が大好きなんですけど、ダメですか?

「浮気って、詰まるところ恋愛の本質じゃないですか」


「だって、恋愛って本来自由なものですよね。なんで、浮気なんて嫌らしい名前を付けるんですか」


「社会が、人の恋愛したいっていう気持ちに勝手に浮気というレッテルを貼っただけのことじゃないですか。恋愛するために生きているとは言わないですけど、誰かを好きになる感情を制限されるなんて、凄く窮屈だし、その中で醸造される恋愛への感覚って歪んでいると思います」


「たくさん好きな人がいることの何が悪いんですか。その中で、本命と本命じゃない人がいることの何が悪いんですか。どんな人数と、どんな恋愛をするかなんて、当事者同士の問題じゃないですか。なんで、社会が入り込んでくるんですか。最低です」


「浮気をしない人の気持ちが分からないんですよ。一人に愛を捧げるだけで、満足できるってことは、そもそも人間に対して興味のない薄情な人ってことじゃないですか。だって、本当に愛が沢山あって、溢れ出てるなら、一人だけじゃなくて、二人や三人にもその愛を注ぐことができるはずなんですよ。人によっては、やってないだけで、やろうと思ったら出来る、という人もいるんですけど、それは、口先だけであって、証明はされてないじゃないですか。結局、子どもの頃に親から愛してもらってないから、人にあげられる愛も少ない人たちなんですよ。そういう人たちが、私たちみたいな存在に嫉妬しているんです」


「浮気万歳」


「浮気最高」


「浮気っていう言い方が良くないと思います。ただの恋愛、それだけですよ。浮ついた気持ちじゃなくて、真剣な恋愛なんです。純粋で、自由で、高潔な恋愛なんです。誰もが愛し合っている光景なんて、最高じゃないですか。戦争が起きている理由だって、愛し合ってないからですよ。皆が、抱き合えば、銃を持つ暇も、戦車を動かす暇も、核ミサイルのスイッチを押す暇だってありません。愛だけが、そして、浮気だけが世界から戦争を無くすことができる唯一の手段なんです。世界中の偉い人たちは、なんで、そんな簡単なことも理解できないんでしょうか。こんな簡単に、地球から悲劇を失くす手段が存在してるっていうのに」


「浮気を怒る人って、愛された経験がないんですよ、たぶん。だから、自分にとって理解できない、愛にまつわる関係、を嫌悪しちゃうんですよ。私たちが生きているうちに知ることのできる情報なんてたかが知れてるのに、自分の知っている情報こそがすべてだって感じて、後は全部拒絶しちゃうんです。なんか、そういう人って、可哀そうですよね。色々な人生があって、色々な形の愛があって、色々な幸せがある。そんな簡単なことも近いできないんでしょ。ちょっと同情しちゃいますね」


「浮気が全てじゃない、とは思ってますよ。でも、浮気が、その全ての中に入らない、入れるべきではない、というのはもはや差別ですよね。自分の考えと違うから、絶対に受け入れないというのは病気ですよ。まだ名前の付いていない病ですよ。なんか、救ってあげたいなって思っちゃいます」

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