壁の花の額縁になれたら

トン之助

壁の花の額縁になれたら

 着飾れど 華やかなのは 蝶の花

 私はいつも 壁の花なり



 花弁舞う 心鎮める 行く先は

 誰かが描きし 芝生の情景



 色褪せる 焦る心に 混じる黒

 隣の芝生は さぞ青かろう



 陽が高く 心の雫 流し行く

 滝壺見ゆる 軽くなる花



 浮遊感 されども雫 落ちる無く

 気付けば濡れた 黒の双眸



 雷鳴の 怒りと呆れ 落ちてくる

 涙で濡れた 黒の双眸そうぼう



 暖色の 木々がはじく 音色には

 心の雫 溢れ出したる



 大木の 無骨に見える の手には

 枯れた花への 覆水ふくすいのよう



 筆の先 描く彼の手は 雄弁に

 私の焦がれた 芝生が萌ゆる



 壁の花 心に映す 彩園さいえん

 名画は壁に 咲くと告げられ

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壁の花の額縁になれたら トン之助 @Tonnosuke

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