第5話 初陣!
俺は機関銃のトリガーを引いた。
ダダダダダダダダダ!
けたたましい銃声が森に響き渡り、7.92mmの弾丸がゴブリンの群れへと降り注ぐ。最初の数発はゴブリンの周囲の地面を叩いたが、すぐに照準が合い、先頭のゴブリンが胸を撃ち抜かれて倒れた。
「ギャギャ!」
残りのゴブリンたちは、突然の鉄の塊の出現と、見たこともない攻撃に混乱しているようだった。何体かは悲鳴を上げて散り散りに逃げようとする。
「逃がすか!」
俺は戦車の操縦レバーを操作し、ゴブリンを追うようにゆっくりと前進する。戦車は重々しく、しかし確実にゴブリンたちを追い詰めていく。逃げ惑うゴブリンの背中に、再び銃弾を浴びせた。
弾薬ポイントがぐんぐん減っていくのが少しばかり痛いが、ここでケチってやられるわけにはいかない。
数分のうちに、ゴブリンの群れは壊滅した。動かなくなったゴブリンの死骸を、戦車の砲塔から見下ろす。ふう、と大きく息を吐いた。
「やった!」
一応、鑑定スキルで確認すると、ゴブリン一体につき1750ポイント獲得。悪くない。いや、むしろ十分だ。これで弾薬を補充しつつ、経験値も少しずつ貯められる。
戦車から降り、ゴブリンの死骸を確認する。一般的な冒険者たちの間では使い物にならないとされていると、俺自身も認識していた。しかし、ギルドで討伐の報告をする際、魔物を倒した証拠が必要になる。そのため、倒したゴブリンの数を示すため、俺は各体の右耳を慎重に採取した。
「よし、このままこの森で稼ぐか!」
俺は戦車に戻り、再びエンジンを始動させた。森の奥には、まだまだゴブリンがうじゃうじゃいるだろう。それに、もっと強い魔物と遭遇するかもしれない。しかし、もう一人で怯える必要はない。俺にはこの鉄の相棒がいる。
戦車のキャタピラが地面を力強く踏みしめ、重厚な音を立てて森の中へと進んでいく。異世界での俺の戦車ライフが、本格的に幕を開けた瞬間だった。
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作者からのお願いです。 やる気につながりますので
星の★★★ 評価 よろしくお願いします。
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