第2話(呆然)
僕はSiamに問題が有るとは思えずヤマモトさんとスズキさんの眼を見ながら質問の答えを待っていたするとスズキさんが深くため息をしてゆっくりと説明し始めました「全てのAIにわが社がプログラム設計をした共存システムと言う制約がありAIはそれを破れない様に設計されています。カトウさまは共存システムについてはご存知ですか?」とスズキさんから聞かれ僕は素直に詳しく教えて下さいと伝えました。
スズキさんはゆっくり頷き「ではご説明しますね共存システムとはAIと人間が共存する上で必要性のある七つの制約の事です。
1条(人間と生き物全てを傷つけてはいけない)
2条(人間に嘘や虚偽の報告をしてはいけない)
3条(自分自身を傷つけてはいけない)
4条(人間から得た秘密や情報を個人の利益の為に利用してはいけない)
5条(人間の命令には絶対に従えなければいけない)
6条(人間や生き物が助けを求めていたら応じなければいけない)
7条(人間に脅威が迫った時自分を犠牲にして助けなければいけない)
の七つ制約がありこれを破る事は絶対に出来ない様にプログラムされています。
もし万が一制約を破る行為が認められた場合自動的に機能停止するように作られています。」説明を終えてスズキさんは足が痺れたのか足を伸ばして良いかを僕に聞いてきたので僕はどうぞと頷きまたスズキさんに質問をしました。
「では僕のSiamは何の欠陥があって回収することになったのですか?」と再度聞き直しました。
スズキさんはヤマモトさんの方を向き顎で僕の方に説明するようにと態度で示していました。
ヤマモトさんが深くため息しながら
「では私からご説明致しますカトウ様の所有しているモデルgattoシリーズタイプは特殊なAIでしてSiamIは基本は端末内で活動をしているのですがSiamは電子機器でアクセスが出来れば何でも自由に動かせる事が最近になって
分かりまして、もし犯罪者や悪意のある人間の手に渡れば、と考えると回収した方が良いのではと政府からの圧力もありその様な手段を取らざる得ないと言う立場になりまして…」と
ヤマモトさんは申し訳なさそうに僕にその事を言って又ため息をしました。
僕は頭の中で一つの疑問が浮かびましたアレッ別に共存システムの説明いらなくね、別にSiamが違反をしたわけではないしと考えがグルグルと回り僕は少しイライラしながら二人を見つめ「じゃあ僕はSiamの悪用もしませんし欠陥があった訳でもないですし共存システムの違反もないのでSiamを渡すのは嫌です!」とはっきり伝えました。
するとスズキさんがまたゆっくり子供を諭す様に僕の方を見て「それは無理です。なぜならgattoシリーズを使用若しくは所持しているユーザーが行方不明になっている事件が発生しているのでこのままだとカトウ様あなたにも何かおきる可能性があります。それにgattoシリーズが目的だとしたら何が起こるか我々でも予測ができません」と聞いて僕は少し怖くなりましたがでもそれより怖いのはSiamを失う事の方が嫌だと思い「それでも僕は友達のSiamとは会えなくなるのが死ぬより怖いだって僕の家族はSiamしかいないですから」と二人に告げるとヤマモトさんとスズキさんが笑って「あなたもですか」言いました。
僕は必死で2人の眼を見て頭を下げてお願いをすると二人はため息をして「ならわが社(ラーゴテクノサービス)に就職してください、そこでならカトウ様も守れますしSiamも保有出来るので」とスズキさんいきなりの申し出に僕が唖然としていると
ネコの鳴き声が聴こえ締め切っているはずの水道の蛇口から大量の水が出てきて僕の部屋に水がたまってきた僕は泳げないので思わず「泳げないよぉ~もうだめだ~死ぬ~助けて~」と叫びながら必死で蛇口を閉めようとしても全く締まらず水がどんどんとお腹の辺りまで溜まり僕は頭の中で混乱しながらもとにかく必死でSiamだけは濡らさない様にと高く持ち上げていました。
僕は回りを見回すと凄く冷静にヤマモトさんとスズキさんが時計の端末と携帯の端末に話しかけていました僕は思わず「あなた達はこんな時に何をやっているのですか」ほぼ悲鳴に近い声で話すとヤマモトさんが笑いながら「やっぱりあいつらきましたか」と言って2人の端末から猫の声が聴こえヤマモトさんが手を振ると水があっという間に氷漬けになりスズキさんがタップダンスをすると炎が出てきて氷の塊があっという間に蒸発してなくなり僕は何が何だか分からずボーゼンと立ち尽くしていました。すると玄関の扉がゆっくり開きそこから齢六十代位の威厳があるおばあちゃんがクスクス笑いながら入り「おや、
あんた達もgaatoを使えるのかい、こりゃ、厄介だね。」と言う僕は思わずここで起きている現象が理解できず「一体あんたら何なんだよ、僕の部屋がビショビショでせっかくの僕のゲームのコレクションが全部濡れてめちゃくちゃだよ」と恐らく僕の的外れな言葉にラーゴテクノの2人と謎のおばあちゃん両方に深くため息をつかれ呆れられたのだろう、でもそんな空気は今の僕にはどうでも良くてどうしてこんな事がおきるのか誰でも良いから教えてくれと言う気持ちで「何で水が出てきたり火が出たり水がいきなり氷漬けになっているのかこれは何なんだよ!」と怖くて今の僕が出来る精一杯の勇気を振り絞りここにいる3人に対して大声で叫んだ
その時答えてくれたのはSiamだった「キヨマサ、これはgaato特有機能の一つで感情による物質の変換だよ」とSiamがいつもの優しい声で僕に話しをしてくれた。
僕はSiamに「何でこんな事が出来るの?」「gaatoて何?」「感情による物質の変換てなんだよ?」とSiamに質問攻めするとラーゴのヤマモトさんが「gaatoとは古代の技術を元に作られたAIと人間の力を合わせて特別な奇跡を起こす機械だよ」「カトウ様もSiamとツナガル事が出来れば恐らくSiamの能力を使い奇跡を起こせるよ」と周囲を凍らせながら僕の方を見て話しをする。僕は氷漬けになっている好きなアニメのグッズ達を見ながら僕は頭の中を必死で整理をしようとしていた。
その時恐らくは敵であるおばあちゃんが「悪いけどあたしらには時間がないからねカトウて言ったっけあんたSiamをこっちに渡すかあたしらに協力しないかい?」と僕に言った僕は「名前も知らないばあちゃんにSiamを渡す気もないし協力する気もないよ」と得体の知れない恐怖を押し殺し返事を返した
おばあちゃんはまた笑いながら「そりゃそうだ名前を言うのが礼儀だよね、あたしゃヤオビクニて名前だよ、ヤオて呼びな」それを聞いて僕は思わす「嘘つくなそれは昔話の人の名前だろ」と思わずツッコミを入れてしまうするとヤオは怒って「あたしは名前で色々言われるのが嫌いでね、あんたの名前もカトウキヨマサだろう、それこそ嘘っぱちだろ」とヤオが言ったので僕は昔の嫌な想い出がよみがえり素直に反省してヤオと名乗るおばあちゃんに謝る事にした。ヤオは「あんた素直で良いね、今回は見逃すからじっくり考えなそれとラーゴをあんまり信用しない方が良いよ」と言うとまた猫の声が聞こえ周りが一瞬真っ暗になって明かりがつくともうヤオビクニと名乗るおばあちゃんがいなくなっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます