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子律

ホ-o-ム

平日はいつも彼と一緒に帰る

住んでいる場所は離れていて真反対

彼の後ろについて改札を通る


ここは私たちの分岐点


普段後ろを歩く時よりも少し小さく見える背中

気持ちは増していく一方なのに

身体ごと心は離れてしまう


いつも乗るエスカレーター

最初は促されるように乗っていたけれど

今は小走りで1段上に乗る


見上げてばかりの彼を唯一正面で見つめられる

守られていると1番強く感じる

そしてどんな時よりも早く過ぎてしまう


彼の家と反対方向の私が乗る電車のホーム

ベンチに並んで座って手を握って

くだらない話を投げ合う


「乗り換え時間待つの嫌だから」


そう言って着いた電車を見送って次の電車を待つ

本数の多い都会駅特有の言い訳

これが彼に唯一ついた嘘ってのは内緒


今度こそ乗る電車が到着して暫くの別れの時間

必ずハグをしてくれる

離したくないと言わんばかりに強く抱き返す


「またね、気をつけて帰ってね」


大好きな彼の声で聴く1番寂しい言葉

彼から目線を流して電車に乗る

気持ちとは裏腹に身体はどんどん離れていく


家に向かって走る電車

決して止まることも戻ることもしない

これは私たちの気持ちと同じだった


FormとHomeを行ったり来たりして

その度に距離の遠さと愛の大きさを実感する

私達には適当なモノなのかな


視界から貴方が居なくなって

電車の窓からホームを見つめてる

さっきまで2人で居たはずなのに空っぽ


数秒前まであった貴方の匂いが消えて

一気に寂しくなって

また戻って会いに行ってしまおうかと考える


週末のたった2日

私達にとっては172800秒の方がきっと正しい

その方が重たく長い時間に感じるでしょ


会えない時間はとにかく寂しい

だけれどその分だけ月曜日が恋しいから

きっとこれは必要な涙なのね


来週はまた少し素直に近づけますように


最寄り駅の改札を通る

目の前に貴方の背中はない

早く帰らなきゃ


そして貴方からのボイスメッセージを再生した

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