第22章:「明かされた秘密」
マヤが腕を組み、尋問するような鋭い視線を向けた。
「見ろ!ザラまで困惑してるわ!どうやってあんなことできるの?説明しなさい!」
二人に挟まれ、どう説明すべきか悩んでいたその時――
ノコが齧りつくように俺の腕に抱きつき、きっぱり宣言した。
「簡単ニャ!祝福を受けてるからニャ!」
一瞬、空気が凍りついた。ノコが暴露した秘密に目を丸くする俺。マヤとザラは表情を固めたまま。
「どうしたニャ?知らなかったの?」ノコは無邪気に耳を動かした。
「まずい……」俺は顔を覆った。
ザラが最初に反応した。
「ノコ……どうしてそう思った?」
「初めに会った時言ったニャ!」ノコは鼻を指さした。「レン様の匂い、神様との契約があるニャ。私みたいに!でも相手は女神様みたいニャ」
「レン!」プリンの声が諦め混じりに響く。「もう仕方ないわ……いつかはバレる時が来たのね」
俺は打ちひしがれたようにため息をついた。
マヤが俺の襟首をつかむ。
「じゃあ……あの炎の剣も?」
「そ、そうだ……」目をそらしながら認める。「まだ能力は完全に理解してないけど、他人の力を……複製できるみたいだ」
ザラは額に手を当てた。
「ドラゴン戦の雷もそうだったのね」
「隠しててごめん。言うなって言われてて……」
沈黙が流れた。
すると突然――マヤとザラが笑った。
「え?」
「別にいいわ」マヤは襟首を離した。「誰にだって秘密はある」
「ええ」ザラも頷く。「言えない事情があったんでしょ?」
肩の荷が下りた気がした。
「二人とも……」
パン!マヤの友情的一撃が肩に炸裂(かなり痛い)。
「でも次からはダメよ!内緒事なしね!」
「痛っ!了解です……」
ザラが未だに俺にしがみつくノコを見た。
「ねえノコ……いつまでくっついてるつもり?」
「ずっとニャ!」ノコはますます強く抱きしめた。「レン様は最強ニャ!一生ついていくニャ!」
「「はあ?!」」マヤとザラの声が森に響いた。
「休む暇もねえな……」
気まずさを紛らわせるように、暗くなり始めた空を指さす。
「そろそろルミスに戻ろう。屋敷は浄化したけど、まだ泊まるのは無理だ」
ザラが同意した。
「そうね。戻りましょう」
マヤとノコは殺気立った視線を交わしたが、皆で歩き始めた。森の中を進みながら、ザラが聞いた。
「屋敷はどうするつもり?」
「明日から掃除して改装だ」俺は新居のイメージを膨らませた。「すぐに引っ越したい」
その時――ガサッと茂みの音がして、全員が警戒態勢に入った。
菌獣の群れが現れた!
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