第21章:「神の複製者」
ノコの耳がピンと立ち、瞳が輝いた。
「わあ!みんなすごいニャ!私も頑張るニャン!」
彼女の弓が金色に光り、光を宿した矢の雨がクロタマを貫く。幽霊は後退した。
「今だ!全員で攻撃を!」ザラの雷が幽霊を撹拌する。
マヤの聖なる炎の剣と俺のパリファイが追い打ちをかける。ついにクロタマの動きが止まった。
「やっと……倒したか」膝に手をついて息を整える。
皆が安堵の笑顔を浮かべる中、ザラだけが険しい表情のままだった。
「おかしい……幽霊が倒されたら消滅するはず。でもこれは……」
その瞬間、クロタマが急収縮し、小さなオーラとなって俺めがけて突進してきた。
「レン、後ろだ!」
マヤとノコは反応できなかった。オーラが目前に迫る――その時、プリンの声が頭に響く。
「レン!剣を!マヤのように炎を灯すの!」
「え?炎を?」
「あなたには他人の力を複製する能力があるわ!ドラゴン戦での雷を思い出して!」
「どうやって!?」
クロタマが胸元まで迫る。
「信じて!」
剣を握りしめ、ザラの雷を複製した時の感覚を思い出す。マヤの炎の熱さをイメージして……
ボッ!
俺の剣が炎に包まれた。三人が驚愕する。
「まさか…私の…!」マヤが喉を鳴らす。
「あの時の雷と同じだ」ザラの目が鋭くなる。「レン……あなたは何者?」
クロタマが炎の剣に突っ込んでくる。力比べになるが、限界が近かった。
「もう…無理だ……」
「諦めないで!力を解き放って!あなたならできる!」
「でもプリン……」
「できるわ!」
目を閉じると、剣の炎が白色に変化した。
「ありえない」ザラが息を飲む。
「なに!?」マヤの剣が揺れる。
「パリファイと炎を融合させた……!」ザラが呟く。
「はあああっ!!」
クロタマは押し返され、消滅した。俺は膝をつく。
「やったニャ!やっぱりレンが一番強いニャン!」ノコが飛びついてくる。
「ちょ、離れなさいよ!」マヤがノコのしっぽを引っ張る。
ザラは安堵の笑みを浮かべた。
「無事でよかった」
「いてて……ノコ、痛いぞ」
マヤが手を差し伸べる。
「大丈夫か?」
「ああ……ありがとう」
その笑顔が突然怒りに変わった。
「てめえ、今の何だよ?!なんで私の技が使えるんだ!?」
ザラも腕を組んで詰め寄る。
「ドラゴン戦の時から疑問だった……あなたの能力は普通じゃない。レン……あなたは一体?」
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