第7話昨日と違う私

朝の光がカーテンの隙間から差し込み、

頬をくすぐるように踊る。


その明るさの中で私はゆっくりと瞼を開く。


頭の中がゆっくりと目覚めていく、

と同時に根拠はないけど、昨日の

私と少し違っていると感じた。


何がどうなんて説明はできないけど、

鏡の中に映る私の顔は同じなのに

何かが変わったように思えてる。


昨夜にあれだけ泣いたから?


夢も仕事も上手くいかなくて

何処にも向けれない怒りや悲しさが

涙になって流れて落ちたのかな。


確かに昨日までは、

何かを諦めた目をしていた。


好きだった絵を描く夢も...やめて

会社と家を往復するだけの日々。


泣き疲れた後にした事は

無意識に昔のスケッチブックを

手に取ることだった。


開いた瞬間、閉じた胸の奥で

何かが静かに灯った。


「あの頃の私に、もう一度会いたい。」


そう思えた。


そしてゆっくりと

ゆっくりと眠りについた。


朝目覚めた時、部屋の隅にしまった絵具を

テーブルに置き、すっと絵筆を手に取った。


スケッチブックに一つの線を引いてみる。


水平線。


私やっぱり向こうに行ってみたい。


言葉がこぼれた。


「おかえり、私の心」


※アプリ書く習慣より



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