概要
重力感受器官を埋め込むという話をした日から、知敷さんに 会っていない。
微笑みは、視覚以外の何物にも置き換えることはできないだろう。音楽? 香り? やさしく抱きしめられる感触? それらは別物だ。私は先生からの手紙を聞き、指でなぞり、この喪失に気づいた。と同時に、視覚情報を別の感覚へと割り振る視覚補助装置が馬鹿馬鹿しく感じられた。私は汗でぬるぬるするヘッドマウントをはずし、スマートホンと共に引越し荷物の奥へ放り込んだ。
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