第2話

第2章


【チャイムのSE】



かえで「う〜〜ん…」

「…いや、昨日訳あって特売の商品を買えたのはいいんだけど、お弁当作りすぎちゃって…」

「う〜ん、まあそうだよね、持って帰って私が…げ。」

「うわぁ、今日もいるじゃん…」


まこと<探してる>「んっ、んんっ…」


かえで「ん?けどなんか様子が…」


まこと「っ…いたっ!」


【近づいてきたSE】


「…藤崎さん、少し顔を貸してもらえるかな。」


かえで「え、なんで私?…あっ!昨日の…」

まこと「…っ!いいから!きて!」


【手を掴まれるSE】


「え!いや私今からおべんと…うぉあ!?」


まこと「い、い、か、ら!」


かえで「え〜〜…ごめんさくら!お弁当箱、食べ終わったら机においといて!」


【作中時間経過4秒ほど開ける】



まこと「…うん、裏庭なら人が…」


かえで「…ちょっと。」


まこと「…ん?」


かえで「手、そろそろ離して。」


まこと<王子様してる>「ああごめん、照れちゃったかな?けど僕としてはもう少し…」


かえで<冷めた目>「…そういう感じなら教室戻るよ。」


まこと「…っ!ごめん!もう言わない!言わないから!」


かえで「はぁ…で、何の用?」


まこと「昨日!昨日の件で…」


かえで「昨日?あ〜…大丈夫、誰にもいって…」


まこと「…ありがと。」


かえで「…へ?」


まこと「…助けてくれて、ありがと。」

「それ…言ってなかったから…」


かえで「…あ、ううん…私こそごめん、清掃中のことを伝えてなかったし…」

「……え、それだけ?」


まこと「…うん。」


かえで「…ふっ、あはははは!」


まこと「な、なんで笑うんだよ…」


かえで「いやぁ…うん、あんたのことちょっとわかってきた。」

「…あっ、ていうかご飯食べながら話さない?お弁当作ってきたからあげる。」


まこと「え、でも…」


かえで「いいからいいから、昨日の特売品、あんたのおかげだし。」


まこと<カッコつけてる>「…ふっ、ありがと、藤崎さんの手作りお弁当だなんて…」


かえで「あっ、次それやったらもうあげないから。」


まこと「ごめん藤崎さん!もうしない!一緒にいる時はしないから!」


【時間経過4秒ほど開ける】



かえで「…なるほど、昨日は下校中に我慢できず、ショッピングモールに駆け込んだ…と。


まこと「…うん、紅茶を、飲みすぎちゃって…」


かえで「う〜ん…言っちゃ悪いんだけど学校出る前に行かなかったわけ?」


まこと「…取り巻きの子がいたのもあるけど…その…」

「…僕、学校のトイレが、使えなくて…」


かえで「え、なんで、うちの学校結構綺麗じゃん。」


まこと「そうじゃないんだ…その…」

かえで「あっ…」


かえで「…無理して言わなくていいよ。」


まこと「ううん、ちゃんと話させて欲しい。」

「…僕、中学の時、いじめられてて…」

「小さい学校だから、トイレの場所も限られて…」

「個室に入ってると、僕の悪口が聞こえてきて…ずっと出られなくて…」

「…そしたら、ある日、トイレに行けなくなっちゃって…」


かえで「…その、全部のトイレがダメってわけじゃないんだよね…?」


まこと「うん…家とか外とか、学校でも体育館とかの一人用のやつなら大丈夫。」

「けど…学校のトイレだと…どうしても怖くなっちゃって…」


かえで「そっか…大変だったね。」


まこと「…意外、こんな話、てっきり呆れられるかと…」


かえで<軽く優しく笑って>「するわけないでしょ、それに…そんな顔で言われたらすごく苦しかったんだってことはわかる。」


まこと「…藤崎さん…」


かえで「けどそうか…2年生で校舎が移動になったし、今は学園祭の準備で…」


まこと「…うん、1年生の時は休み時間でもいけたんだけど…」


かえで「…そっか…」

「…ありがと、話してくれて。」


まこと「…え。」


かえで「こういう話、勇気いるよね、それを話してくれて、ありがと。」


まこと「…っ、ちがう、僕が勝手に…」

「こんな話…いや、今の僕の姿を見せられるのは、藤崎さんくらいだから…」

「昨日初めて話したばっかりで気持ち悪いかもしれないけど…その…」


かえで「…ふふっ。」

「気持ち悪くなんかない、昨日も言ったけど、今のまこちゃんの方が私は好きだよ。」


まこと<涙目>「…っ、ふ、ふじさきさん…」


かえで「…さっ、そろそろ休み時間が終わるし戻ろっか。」


まこと「…っ、う、うん!」

<飲み干して>「んっんっんっんっ…はぁ…!お弁当、ご馳走様!おいしかったよ!」


かえで「ありがと、周りの目もあるし、まこちゃんは先戻ってて。」


まこと「うん!ありがとう藤崎さん!それじゃ!」


【去っていくSE】


かえで「…ふふっ、な〜んだ、健気でいい子じゃん…ん?」

「あれ、学校のトイレが使えないって言ってたけど…あっ。」


【チャイムSE】


「予冷…」

「…だ、大丈夫…だよね?」


【時間経過4秒ほど開ける】



【チャイムSE】



かえで「ん〜!おわった〜!」

「…あっ、さくら、お疲れ〜」

「お昼はごめんね?すぐ戻るつもりだったんだけど…っ!違う違う!そういうのじゃない!」

「そういうのじゃないんだけど〜、内容は言えないというか〜…っ!だから違うって!ていうか女同士だし!」

「う〜、ていうかさくらは学祭委員でしょ、のんびりしてていいの?」

「…は〜い、頑張って〜」


【去っていくSE】


「…さて、バイトもないし、私はのんびり帰りますか。」


【席を立つSE】


「…んぅ…」

「…一応、様子だけ見て帰るか…」


【歩くSE】


「はぁ…さくらが変なこと言うから…」

「ていってもどこにいるかな…何組かすらしらないから…」


【時間経過4秒ほど開ける】



【歩くSE、環境音とかいれて場面変更わかりやすくするかも】


「…いない。」

「普段は鬱陶しいくらい見かけるのに、なんで探してる時に限って…」

「はぁ…なんかアホらしくなってきた、多分あの子も帰ったでしょ…ん?」


まこと「え、えっと…落ち着いて…」

「だからお昼は何もなかったって…はぅ…」


【もじもじSE】


「んっ、んんっ…はぁ…はぁ…」


かえで「いた…しかもあの様子、ひょっとして…」


まこと「君たち、今日は一回お開きにしないかい?僕は急いでて…あぅ…」

「んぅぅ…はぁ…はぁ…まいったなぁ…はは…んぅ…」


かえで「助ける?いや、でももめてそうだし、私が行ったら…」


まこと「はぁぁ…はぁぁ…んんんっ…」


かえで<見た以上放っておけないので>「…あ〜〜〜。」


【近づくSE】



まこと「…ちがっ、別に彼女と付き合ってるとかじゃ…」


かえで「ちょっと。」


まこと「えっ…」


かえで<苗字がすっと出てこなかった>「え〜っと…柊さん、柊さんに用があるから借りてくね。」


まこと「えと、藤崎さん…」


かえで「…ほら、いこ。」


まこと「んっ…でも…」


かえで「…っ、いいから!」


【手を引っ張るSE】



まこと「ひゃっ。」

「んつっ、んっ、んんっ…」


【もじもじSE】


「はぁ…はぁ…はぁぁ…」

「藤崎さん…なんで、ていうかどこに…」


かえで「トイレ、もう限界なんでしょ、ここ曲がるよ。」


まこと「なっ、僕は別に…あぅ…」


かえで「ほ〜ら、あんなの見たら誰だってわかる、気づいかないのは盲目なファンくらいでしょ。」


まこと「んんっ…」

「違うんだ、彼女たちは…ひぅ…!」

「いっ…やぅ…くっ…」


かえで「話はあと、教員用のトイレなら個室だから、少しあるくけど…ん?」


まこと「ごめっ、藤崎さん、一回止まって…」


かえで「う、うん…」


まこと「はぁぁ…!はぁぁ…!」


【前抑えSE】


「でるな…でるなでるなでるな…」


かえで<気まずい>「…んんっ。」


まこと「はぁぁ…!はぁぁ…!あ”っ!」


【おちびりSE】


「っ!ふぅ!ふぅ!ふぅ!ふぅ!」


かえで<心配してる>「ちょ…大丈夫?出ちゃった?」


まこと<恥ずかしくてムキになった>「…っ!漏らしてない!ひぅ…!」

<辛くて、詰まった感じに>「んんっ…!でも、教員用トイレまでは、むりかも…」


かえで「…え!じゃあ…」


まこと「ん”っ…」


【おちびりSE】


「だっ…あ、もう…」

<パニック>「あぁ…どうしよう、どうしよどうしよどうしよどうしよ…」


かえで「…っ!まこちゃん!こっち!」


まこと「えっ、ふじさきさ…あっ…」


【前抑えSE】


「んんっ…!ど、どこに…」


かえで「決まってるでしょ、トイレ、すぐ目の前のとこ。」


まこと「で、でも、そこは…あぅ…」


かえで「わかってる、けどこのままだとまた漏らすよ。」


まこと「もらっ…う”ぅ…」

<涙目いじいじ>「藤崎さんはわかってない…僕が、どんな思いで…」


かえで<勢いすごい>「あ〜!わかるわけないでしょ!昨日喋ったばっかりなんだから!」

「私が抱き抱えてでもトイレにいく!それでも無理なら諦めて漏らす!オッケー!?」


まこと「う”っ…野蛮だ、パワハラだ、ベンチャー企業とやってることが同じだ…あぁ…」


【おちびりSE】


「やっ…ズボンに…」

<子供っぽい感じ>「…手は、絶対離さないでよ。」


かえで<少しびっくり気味に>「えっ…あ、うん…離さない。」


まこと「はぁぁ…!はぁぁ…!ひっ!」


かえで「まこちゃん?」


まこと「ご、ごめ…やっぱ足が…あぁ…!」

「だめ、次波がきたら…も”っ…」


かえで「…っ!目!目を瞑って!」

「そんで我慢だけ集中して歩いて!いい!!」

まこと「…っ、う、うん…」


まこと「ふぅ…!ふぅ…!んぐぅ…!」

「でっ…でる…んっ、はぁぁ…!はぁぁ…!」

「んぐぅぅ…ゆび、ゆび…ゆびで…」

「んはぁぁ…!んはぁぁ…!」


かえで「…よし、誰もいない…」


まこと「ひぅ…!」

「っ!はぁはぁはぁはぁはぁ!あ”ぁ…!」


【扉をあけしめSE】



かえで「はいまこちゃん!目を開けて!ついたよ!」


まこと「…っ!えっ!あっ!!」

「トイレ!あっ!ズボ…あっあっあっ…あっ!」


【ベルトかちゃかちゃ、ずぼん下すSE】


「あ”!ぬげっ…ん”っ!」


【下着SE、座るSE、放尿SE】


「だぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあ…!」

「はぁ!はぁ!はぁ!はぁぁぁぁあああ…!」

「あ〜〜〜…ぐずっ、まにあっ…あぁぁぁ…あっ…」


かえで「…あっ、ごめん、私は外に…」


まこと「ま、待って…」


【手を取るSE】



かえで「へ?」


まこと<弱々して可愛い>「んぅ…いか…ないで…」


かえで<動揺>「う、うん…わかった…」


まこと「はぁ…はぁ…んんっ…!」

「う”っ…まだ…んぅぅぅ…」

「んふぅぅぅぅ…んんっ…」


かえで<小声>「…なんか、私の方が恥ずかしい…」


まこと「あぁぁぁぁ…んんっ…んっ、はぁ…はぁ…はぁぁぁ…ぁぁ…」


【放尿SE徐々に終了】


「はぁ…はぁ…あ〜…」

「…まだ、じんじんする…んんっ…」


かえで「…あ、ま、まこちゃん?」


まこと「…っ!あっ、藤崎さん…」

「ご、ごめっ…すぐ…あぅ…」

「う〜…ごめん、力がまだ…」


かえで「う、ううん…ゆっくりで大丈夫…」

「…ごめんね、無理やり連れてきちゃって…」


まこと「ううん、あの時連れ出してくれなかったら多分…」

「…それに、藤崎さんがいたからかな…怖いけど、ホッとして…」

「…だから、ありがと。」


かえで<照れ隠し>「…っ、やっ、別に…あっ!あれだ!切羽詰まってたのもあるかもね!限界で怖いうんぬんどころじゃなかったとか!」


まこと「うん…それもあるかも…でも、やっぱり…」


かえで「と、とにかく間に合ってよかった、うん。」


まこと<間に合ってない>「そうだね、まにあっ…あっ。」


かえで「…え?」


まこと「…っ、ううん、まに、間に合った!ありがと藤崎さん!」

「…っ!手、手ももう大丈夫!すぐふいてでるね!」


かえで「う、うん…じゃあ外で…」


まこと<寂しそう>「えっ…」


かえで「…あ、あ〜、後ろ向いて待ってるわ。」


まこと<嬉しそう>「…うん。」


かえで「う〜〜…」

(…顔があつい…なんで私が恥ずかしがってるんだ…?)

(そもそも放っておけばいいのに、放っておけないっていうか…)

(…う〜、なんか引っ掛かる、鬱陶しいけどほっとけないと言うか…)


まこと<小声で>「…うっ、シミが…バレないかな…」

「…紙ではさんで…うん、これなら…」


【2.5 トラック】



【夕暮れ ドアガチャSE】



かえで「ただいま〜」

「あ〜、ドッと疲れた…さっさとご飯を作って…ん?」

「こ〜ら龍二!靴下はちゃんとカゴに入れろって言ってるでしょ!」

「…はぁ?何そのカタカナ横文字、またなんかに影響された?」

「あ〜、じゃあ堕天使さんは自分の靴下も管理できないんだ、かっこわるい悪魔だね〜」

「…ふふっ、そうそう、その方がかっこいいよ〜」

「ったく、手間はかかるけど素直って言うか、影響されやすいというか…ん?」

「あれ、なんか繋がりそうな…あっ。」

「あ〜!そうか、まこちゃんは龍二と似てるのか…」

「そう思うとあの王子様キャラも厨二病の一種だと思えば…」

「おっ、次会った時なんか仲良くやれそうな気がしてきたぞ。」

「…はいは〜い!明日は体育なんだね、体操服置いておくから寝る前に入れるんだよ〜!」

「…うちの龍二は小6だけど、まこちゃんは…」

<ナチュラル失礼>「…まあいっか!あの子の精神年齢、そんなもんでしょ。」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る