生き様
「リラさん!?」
何で?! 何でここに?! 頭の中に大量の疑問符が湧き上がる。
その疑問に返答したのはこれまた意外な人物だった。
「お前達が作戦開始したタイミングでこの野郎目を覚ましやがってよ!!! 休んでくれっつたのに助けに行くって聞かねえからな!! 全員で来てやったぜ!!!」
「全員…?」
ボブさんがスピーカーで俺にリラさんが何故いるのか教えてくれる。だが新たな疑問が湧いてきた。
全員とはどういう事なのか。俺が聞く前に仲間達が居るはずの位置から次々と声が聞こえてくる。
「俺達もここに居るぞ!!!」
「大量の武器を持ってきた!!! 俺達だって銃を撃つことぐらいはできる!!!」
「伊達に南部出身じゃねえぞ!!! 嫌いな味だったからって人を殺す奴らがいる南部で鍛えられた俺の腕前!!! 見せてやる!!」
警察署にいた生存者達。更にグロリアに居た生き残り達全員がこの場所に集結していた。
銃声が最初の頃の数倍は鳴り始め、近くにいたゾンビ達が次々と消されていく。
……最後の声、まさかシェフか?
「どんなに強くなっても所詮元が元! 遠くから銃を撃ったり透明な車に轢かれたら死ぬ! 特殊部隊は俺らがやるからゾンビ共は任せたぞ!!!」
「「「うおおおおおおお!!!!!!」」」
「aaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」
思わず呆然とする俺。
そんな俺を見逃すほど隊長ゾンビは甘くない。
隙を見て車を勢いよく投げつけてきた。
「しまっ!」
「ざぜない!!!!」
喉が焼けているのかガラガラ声のリラさんが俺を無理やり引っ張ってくれたお陰で攻撃を避けられた。
スコッチさんは完璧なドラテクでゾンビ達を轢きながら隊長ゾンビの攻撃を避けられる良い位置へ移動する。
「クソ野郎! これでも食らいやがれ!」
ボブさんが車から取り出したマシンガンをひたすらに隊長ゾンビに撃ち続ける。
だがこれじゃ駄目だ。数分も持たずやられる…。
俺は立ち上がり戦いを続けようと…。
「ユウキ! 良く聞いて。グロリアにゾンビが攻めてきた。恐らく最終進化したタイミングで狙うつもりだったようでグロリアは大量のゾンビが囲んでいる。後十数分で侵入を許されるわ。今は市長が一人残ってゾンビを押さえている。……十分。恐らくタイムリミットはそれぐらい。十分で私達は奴らを倒さなければならない」
十分…。十分か…。いけるか? ……いやいけるかじゃないな。
「私達が全力で貴方のサポートをする。アイツを倒して!!!」
「当然だ!!!!!」
やるんだ!!! 必ずやり遂げる!!!
それしか道は無いんだ!!! ここまで来てくれた皆の為にも!!! ここで全てを終わらせる!!!!!
「俺が相手だ!!!」
「aaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」
全力疾走。真正面から隊長ゾンビの攻撃を受け止める。
刀があるお陰で接近戦で受け流しがしやすい。それにこいつは大剣を失っている。
形勢逆転だ。
「皆気をつけろ! トラックが大量にこっちに向かってきているぞ!!!」
だが奴らもただで負ける気はないようだ。
何台かのトラックが俺の直ぐ側に接近し、中から大量のゾンビが現れる。
だが何故だろうか。今の俺は負ける気がしなかった。
共に戦ってくれる仲間達が居るからだろうか。それとも自身の過去に決着をつけられたからだろうか。
昔はよく考えた。人生とはなんなのか。
俺みたいな奴に生きる資格はあるのか?
仲間を犠牲にして生き残った俺に。仲間が託したモノを忘れてしまった俺に。
結局俺の仲間は全員死んだ。探偵も…先遣隊のメンバーは皆脳死状態。
俺がわがまま言って無理に生かしている状態だ。
いつしか考えるのを止め、ただ怠惰で生きる日々。
だが俺は多くの出会いを体験した。
リラさん…。彼女は俺見たいな人間を助けるために爆炎の中飛び込んだ。
彼女の生き様は美しいものだ。素晴らしい尊ぶべきものだ。
俺も彼女みたいに生きたい。彼女みたいな美しい生き方を送りたい。
ボブさんが言っていた夢を……、俺も持ち始めた。
必ず誇りある人生を送り、死んだ仲間達への手見上げとする。
それが俺の……生きる意味だ。
……そうすればきっと、皆の死も報われるはずだ。
右手に刀。左手にマグナム。これが俺のバトルスタイル。
「aaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!」
「「「ア〜〜〜〜〜〜!!!!」」」
大地を埋め尽くすほどのゾンビ達。だが俺には仲間が居る。
共に生き残ってきた仲間達。ここまで駆けつけてくれた仲間達が。
「全員必ず生き残るぞおおおお!!!」
「「「うおおおおおおお!!!!」」」
仲間達の咆哮が俺の元まで聞こえてくる。
ここまで言われて…、負けるわけにはいかない!!!
俺の側に現れたゾンビ共はリラさんとボブさん。そしてスコッチさんが相手にしている。
スコッチさんが車で轢き、そしてボブさんとリラさんが銃撃。
お陰で俺は隊長ゾンビ一人と戦うことが出来る。
この怪物相手に集中できる…。
「aaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」
「させねえよ!!!」
リラさん達目掛けて行おうとした攻撃を俺が殴り込んで止める。
確かにこいつは強い。だがそれは肉体改造されたからこそ。本来のヘレティックメンバーの強さはまるで生かしきれていない。
「どうした? お前の相手は俺だと何度も言ってるだろう!!!」
「aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」
もし本物だったら今頃数回は俺が死んでいる。
リラさんに助けられていたとしても…だ。
勝ち目はある。勝負は今! ここで決める!
ニヤリと笑顔を浮かべ、今までの俺では決して言わなかった言葉を放つ。
これは今までの自分への別れ。
「来いよ隊長!!! もう一度アンタの命を 奪ってやる!!!」
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