第6話どんな気分〜?

 僕は叔母に見られ、立ち上がり彼女に歩み寄ろうした。

 叔母が右腕を突き出し、防がれた。

「ちょい待ち。けーちゃん、コレって同意のもとって訳よね?けーちゃんにしては乱暴なのが聴こえたんだけど……?」

「同意というか……やらされてる感じです。本意じゃないですよ、あんなの!信じてください!?」

「やらされてる……本意じゃ、ない……と。彼女さん、けーちゃんが言ってること本気マジ?」

 叔母は僕の言葉を反芻し、佐渡に視線を移し、尋ねる。

「今村くんのいう通り、嘘じゃないです。私が無理にやらせ——」

「ふぅん。詳しく、洗いざらい聞かしてもらうわ。リビングに」

 大人の対応をするような低い声で、今にも咎めるようだ。

「……はぁい」

「はいぃ……」

 唇周りに付着した涎を手の甲で拭い、反省する態度を見せ、返答する佐渡だった。

 僕と佐渡は叔母のあとに下りていく。


 重苦しい空気がリビングに漂う中、叔母が促す。

「さぁ、座って」

「「はい……」」

 僕と佐渡は促されるままにダイニングチェアに並んで腰を下ろした。

「えっと——」

「佐渡嘉音といいます。クラスメイトでして——」

「佐渡さんね。さっきのは興味本位で及んでた行為かしら?それとも——」

「遊びじゃ……ないです。いっ今村くんとそういうことをするつもりで……ですぅ。はいぃ……」

 羞恥心と緊張が混ざった硬い返答をする隣のクラスメイト。

「そっか。貴女はけーちゃんが好きであーいうのに及んだのかい?」

「好き……とは言い切れないです。すみません」

「ふぅ〜ん、けーちゃんとはデキるんだね?」

「はい……昨日、シました。すみませんでした」

「謝らなくて良いよぅ〜!叔母ってだけで気になっただけだもん。二人が良いならそれで良い。紗代らに知られたくない、佐渡さん?」

「はい……今は」

「へぇ、そっかそっか……じゃあ、二人してるとこ見せてよ」

 叔母は左腕の袖を捲り上げ、驚愕する条件を突きつけてきた。

「えっ!?見せるんですか、シてるとこを?それは……」

「アレぇ、ゼンザみたいなモンでしょ?消化不良じゃんね、今からシよ?さぁさ、戻って。見せて見せて」

 叔母はダイニングテーブルを勢いよく叩きながら立ち上がり、僕らの方に回り込み、二人を立たせ、戻るように背中を押して急かしてきた。

「えっちょ——止めるじゃ、ねぇ姉って!?ちょ待っ——」

「えっ待ってくだぁ——他人に見られるのはぁ……待ってくぅっ……ださぁっ——」


 僕と佐渡はセックスを及んでいる場面を叔母——高砂史恵海たかさごしえかに鑑賞された。

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