第2話いけないのはボクか?
僕が自宅に到着すると表札が隠れるように壁に凭れ待っていた佐渡の姿があった。
「うぇっ!?佐渡さんっ……なんで、え?僕の自宅知ってるわけ——」
「遅いです。私が近所に住む人たちから不審者のような疑った眼で見られるんです」
「えぇ……あぁ、まあとにかく上がって……」
「今村くんが遅いからです……」
「僕が悪いのかぁ……はぁ」
僕は愚痴る彼女を自宅に上げた。
「ただいまぁ」
「お邪魔します。くんくん、今村くんの匂い……」
「そりゃ、住んでるからね……その、なんで僕ん家を佐渡さんが知ってるの?」
「そんな不思議がります?昔……此処から今村くんが飛び出してきたのをお見掛けしたことがあって。納得します?」
「ふぇ?そ、そぉう……納得、するかは……」
廊下を歩いて、リビングに脚を踏み入れると彼女に軽く説教され、校内で見かけたことのない甘えた声でおねだりされた。
「大雑把で生きましょ、神経やりますよそんな細かいこと気にしてると。今村くんのお部屋、拝見してみたいです!!ダメぇ、ですか?」
彼女の肩まで伸ばした黒髪のストレートヘアがさらさらと揺れ、金木犀の匂いが鼻孔を掠めた。
「うっ……だぁっ駄目じゃない。佐渡さんは飲めない物ってある?」
「炭酸は苦手です。嫌な想い出もあって……」
茶目っ気を出し、ちろりと舌先を見せ、ぼそりと呟いた。
「そう。後半なんて言ったの?」
「今村くんが気にすることじゃないです」
追及されたくない話題らしく、あからさまに触れるなと表情で威嚇した彼女。
校内での彼女からは想像出来ない程に表情が豊かで、別人と接してるように感じた。
「ごめんなさい……」
僕はお菓子と飲み物を用意して、彼女を自室へ案内した。
モスグリーンのラグが敷かれた上のテーブルにトレーを置いてベッド側、奥の位置に腰を下ろし正座をした。
佐渡は扉側の向かいに脚を揃え崩した体勢で、腰を下ろした。
「緊張してるね、今村くん」
「佐渡さんは緊張してないね?」
「今村くんの匂いが充満してて、落ち着くから……かな」
「もしかして僕のこと——」
「他の
「えっ?それはその……」
彼女が四つん這いになり、僕の左側に近付き、艶美な声音で誘惑してきた。
「そぉう。今村くんが想像してる……セックスのこと。私とセックスシよ。私の……裸、撮っても構わない。それでも断る?」
「せ、せせっ、セックス!?佐渡さんとぉっ!?そぉ……それは、さすがに……」
「他の男子……私の、おっぱい揉みたいなんて言ってるくらい……良いと思うけど?」
僕は四つん這いで誘惑する彼女のブラウスの隙間から窺える水色のブラジャーに隠れた大きな胸から眼が——。
「でぇ、でも恋人でもない
「私は今村くんとヤれるよ。無理矢理……でも怒んない。寧ろサれたいとも。ゴムないよね、ナマだぁ!ナマでヤれるね。シよ、今村くん……啓治、シて。私を気持ち良く、させて」
「でもっ……さすがになぁっ、生っていうのは——」
佐渡が僕の狼狽えた姿を無視して、上体を起こしブラウスの留めていたボタンに手を掛け、外し出し、ブラウスを脱ぎその場にブラウスを落とす。
流れで立ち上がり、制服のプリーツスカートのファスナーを摘んで下げていきプリーツスカートがするると足許に落ちた。
彼女はブラジャーを身につけ、ショーツを穿き、ソックスを履いたあられもない姿を僕に晒した。
「私のおっぱい、揉みたいでしょ?私のアソコ触りたいでしょ?アソコに指ぃ、挿れてみたいよね今村くん?欲望に呑まれることは恥ずかしいことなんかじゃないから。私が脱いでいく?それとも啓治が脱がしていきたい?」
「僕はっ……僕は——」
僕は佐渡嘉音の誘惑に負け、彼女と
僕は越えてはならない一線——佐渡の陰部をスマホで撮ってしまった。
魔がさしてしまった。さすがに消すつもりだ。
抹消しなくてはならない。
人でなし、と蔑まれたくない。詰られたくない。
彼女は僕と身体を重ねて、恍惚な表情を浮かべていた。
モノズキな
僕のベッドのシーツに清い彼女の血が滲みている。
彼女は初めて、だったらしい。
背徳めたい。背徳めたいうしろめたさが急激に僕を襲う。押し寄せてきた。
手が、腕が震えてきた震えて……きた。
一人、独り取り残され、膝を抱え、身体を震わせ、震わせ続けた。
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