第11話
おそらく、この空間は上の地上の世界と逆さまになって存在しているのだろう。だから、地上に戻ろうとすれば、実は地下に行くことになる——黒青はそう考えた。
ここが、世界そのものなのだ。
確かに、20歳以上の人はいないらしいが、ここが地上であることは間違いない。時間も空間も入れ替わり、歪み、変化しているからこそ、ホログラフィーで隠さなければならない場所もあるのだろう。
もし間違って地上に行き、そこが実は地下だと気づかないまま、そのまま死んでしまう者もいるのかもしれない——そんな怖いことも想像しながら、彼女は歩いていた。
歩道の横断歩道を渡る子どもたちを見つめながら、黒青はその不思議な世界の理を考え続けた。
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