第7話 秘密の代償――前世の記憶が暴かれるとき
昼下がりのギルドはいつもよりざわついていた。
何者かがナオミアの過去について、不穏な噂を流し始めていたのだ。
「ナオミアさん、ちょっといいかしら?」
受付の女性からの突然の呼び出しに、ナオミアは胸の奥がざわつくのを感じた。
ここ最近、周囲の視線が変わり始めていることは気づいていたが、まさか……。
ギルドの一角で待つのは、普段は穏やかな老冒険者レオンだった。
しかし、その顔には厳しい影が落ちている。
「君の話、前世のことだろう?」
レオンの言葉にナオミアは動揺しつつも、冷静を装った。
「はい、確かに前世の記憶があります。でも、それが何か問題でも?」
「この世界では、前世の記憶を持つ者は異端視されることが多い。君が何者かに狙われる危険もある」
レオンの目は真剣だったが、どこか心配そうだった。
その夜、ナオミアは自室で思い悩んでいた。
もし秘密が漏れれば、信頼も地位も失いかねない。
だが、隠し通すことはますます難しくなるだろう。
その時、窓の外に一筋の影が滑り込んだ。
「ナオミア、話がある」
ライアスだった。
彼はいつも以上に険しい表情で、彼女の安全を守ることを誓った。
こうして、ナオミアの新たな戦いが幕を開けた。
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