第5話 初めての危機と、揺れる心
朝の柔らかな陽光がギルドの窓から差し込み、部屋の隅に積み上げられた資料の文字を照らしている。
ナオミアはまだ回復途中の身体を押して、再びギルドへと足を運んでいた。だが、彼女の瞳は前よりも少しだけ不安げだった。
「仕事が増えすぎてる……無理は禁物なのに」
そんな考えを抱えながら、受付のカウンターで新たな依頼書を受け取る。
今回の依頼は、近隣の森で頻発している魔物の襲撃についての調査だった。
外へ出ると、空は澄み渡り、木々の葉が風に揺れる音が耳に届く。森の入口には、緊張感を漂わせる冒険者たちが集まっていた。彼らの表情からは、この事件の深刻さが伝わってくる。
ライアスもそこにいて、いつものクールな面持ちだが、彼の眼差しはいつもより鋭い。
「今回の事件は簡単ではない。君も同行してくれ」
ナオミアは一瞬戸惑ったが、すぐに決意を固めた。
「わかりました。何があっても、皆を守ります」
森の奥深く、緊迫した空気の中で、ナオミアは初めての大きな危機に直面する。
そしてその中で、心のどこかに、彼女を気遣う誰かの存在を強く感じるのだった。
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