鉄塔の上で

 僕は、夏至点を迎えた。70mあるらしいその塔は、ガス生成工場の中でも一際たかくそびえている。それは、この資本主義社会を象徴するような、お金を生み出すために作られた広大な人類のテクノロジーの象徴でもあった。それはとても人工的であった。だが、そこから得られる僕達の恩恵は確かにあるのだ。この衣服、この住戸、この社会システム。もちろん、それは形を変える時期に来ている。すべての魂が更に高い次元で喜ぶために。それは、形を変えるだろう。だがどうして、これまでのこのような素晴らしく歪な、それでいて素晴らしく均衡を保とうとしたこの文化を否定できようか。それはただ、そこに立ったのだ。それは、一つの支配をつくって成長したのだ。この鉄塔の上の太陽は余りにも高く、余りにも温かく。70m強など何も関係なく照っている。

 僕はそこで祈った。愛、富、健康、自己実現を。自分自身に、他者に、この世界に。どうやって生きていくのかも分からずに、心配に飲み込まれていたそれまでが、理由もなくただただ大丈夫だよと。到達点を超えて変化してゆくその希望でいっぱいであった。

 その日僕は夢をみた。全ての夢が繋がる夢。一瞬のうちに僕の世界は変容した。ありえないほど詰め込んだ夢の種が、ついに土から顔をだしたのだ。

 巨大で、逃れることができないように思えた資本主義という支配。そのおかげで僕は解放という愛の革命を作り出すことができた。ありがとう。感謝を捧げます。

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ドリームス〜夢の記憶〜 @Ascend55

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