読者を一瞬で物語の中心へと引き込む
- ★★★ Excellent!!!
「あの年の夏、君は突然姿を消した」——そんな切ない一文から始まるこの物語は、優しくも儚い青春の思い出と、突如現れる謎の男との邂逅、そして非日常へと繋がる扉が描かれた、青春ファンタジーだ。
物語の前半では、優人と鈴の心あたたまる思い出が丁寧に描かれており、読者は彼の失われた日々と静かな痛みに自然と共感する。
だが後半にかけては、謎の男性の登場、不可思議な耳鳴り、そして唐突に現れる敵性存在など、急激に物語のギアが上がり、一気に非日常の展開へと突入。まるで日常と異世界の境界がにじみ出すような構成に、スクロール?する手が止まらない。
キャラクターも個性的で、特に冷たい隣の席の少女とのやりとりは、どこかリアルで共感を誘う。彼女が今後どのように物語に絡んでくるのかも気になるポイント。
終盤のバトルの予感と「ピースストーン」というキーワードの提示により、物語はただの青春ストーリーではないと確信させられた。
鈴の行方、耳鳴りの正体、ピースストーンの意味……数々の謎が、今後の展開への期待を大きく膨らませる。
まだ一話しか読んでいないが、これほどのレビューを書けるほどのめり込める。切なさと希望、日常と非日常が絶妙に絡み合うこの物語は、青春ファンタジー好きにぜひおすすめしたい一作だ。